『麗姫無双』  石亭の戦いは激戦になった。  3つの砦の攻防戦は文字どおりの一進一退。  容易に決着はつきそうもなかった。  前衛軍を率いる孫尚香は、徐晃隊の防衛戦を突破して中央砦に達したものの、両翼の進 軍が遅れたために孤立してしまい、魏軍主力の激しい反撃をまともに受ける形となってし まった。  多大な損害に、孫尚香はやむなく後退を決意し、部隊を後方へ下がらせた。  側面に甄姫隊が現れたのは、まさにその時だった。  ただでさえ後退中の軍は脆弱である。  そこを側面から突かれたため部隊はたちまち壊滅状態に陥り、孫尚香も敵兵に囲まれて しまった。  包囲陣を切り抜けようと、必死に闘う孫尚香。  その足下に、突然、矢が撃ち込まれた。 「!!」  見上げると、弓を手にした甄姫が馬上で挑発するかのように薄笑いを浮かべていた。 「あら。失礼…」 「やったわねえっっ!!」  孫尚香は甄姫に向かって高く飛んだ。 「ええ〜いっ!」  空中から落下しながら、馬上の甄姫めがけて乾坤圏を力いっぱい振り下ろす。  だが、刃が甄姫の体を切り裂こうとした瞬間、その姿が視界からフッ…と消え失せた。 「ええっ!?」  乾坤圏がむなしく空中でカラ振りし、孫尚香は体勢を崩しそうになりながらも、かろう じてバランスを取って地面に降りた。 「ど、どこよ!?」 「わたくしならここにいますわよ」  後ろから甄姫の声がした。  ──しまった!  慌てて振り向く孫尚香。  それと同時に、甄姫の鋭いまわし蹴りが、柔らかな腹部に深々とめり込んだ。 「あぐっ!」  激痛で息が詰まりかける。 「う…」 「呉の弓腰姫はこの程度ですの? フフフフッ」 「……こっ…このーっ!」  孫尚香の頭に一気に血がのぼった。  闘いは冷静さを欠いたほうが負ける、という基本すらも吹き飛んだ。 「はっ! たあっ! ええいっ!」  次々と攻撃をくり出す孫尚香。  だが、怒りに目がくらみ、間合いもロクに見極められない状態では、まともに当たるは ずもない。 「フフフ。どうしたんです。当たりませんわね」 「くううっ!」  歯がみしながら、なおも孫尚香は攻撃をつづける。  しかし、甄姫にはかすりもしなかった。 「今度はわたくしからいきますわよ!」  孫尚香の激しい攻撃を苦もなくかわすと、甄姫は背後にまわり込み、立てつづけに攻撃 を浴びせる。 「あううっ! あっ、ああっ、きゃあああーっ!!」  孫尚香は悲鳴をあげて地面に倒れこんだ。 「…く…ううっ……」 「あら? もうおしまいですの?」 「ま…まだよ…。これしきのことで……」  よろめきながらも、孫尚香は懸命に立ち上がった。 「さすがですね。でも、これで終わりですわ」  甄姫は月妖を口に当てた。 「お覚悟っ!」  妖しい笛の音が響く。  と同時に、強烈な衝撃波が孫尚香を襲った。 「うわぁああああああーーーーっっ!!」  空中高く吹き飛ばされた孫尚香は、地面にしたたかに体を打ちつけ、そのまま意識を失 った──。        *       *  その夜。  石亭から100里ほど下がった小城で、魏軍は部隊の再編にあたっていた。  けっきょく、石亭の戦いは大喬隊と小喬隊が東西の砦の突破に成功したため、魏軍は撤 退を余儀なくされたのだが、呉軍はそれ以上は追撃してこなかった。  そのおかげで、魏軍も敗兵を収容するゆとりが出来たのである。  その城の地下牢に、孫尚香は囚われていた。  両手首は頭の上で縛られて、壁に取り付けられた鉄環に繋がれており、両脚も左右に開 かされた状態で足首を床の鉄環にくくり付けられている。  上半身をよじる程度しか出来ない状態だ。 「私をどうしようっていうのよ!?」  目の前で薄笑いを浮かべる甄姫に向かって、孫尚香は大きな声で叫んだ。 「そうですわね──」  甄姫の手が、孫尚香の頬にスウッと触れた。 「呉の弓腰姫を飼ってみるというのも、なかなか面白い余興だと思いませんこと?」 「なっ…」  孫尚香の顔が赤く染まった。 「馬鹿なこと言わないでよ! 誰があんたなんかの言うなりになるもんですか!」 「フフッ。その気力がいつまでつづきますかしら?」  甄姫はかたわらに控える侍女から、細長い鍼と小さな容器を受け取った。 「な……何よそれ!?」 「大変に高価な秘薬・溜媚膏ですわ」  甄姫が楽しそう言う。 「これをほんの少し経絡に入れるだけで、たちまち体中が狂おしく疼いてきますわよ」  そう言いながら、甄姫は容器の液体に鍼をたっぷりと浸し、それを孫尚香の眼前に突き 出した。 「覚悟はよろしいかしら?」 「い…いやああ〜っ!!」  孫尚香は悲鳴をあげて頭を左右に振りまわす。  が、簡単に抑えこまれてしまった。 「暴れても無駄ですわ」 「あうっ!」  首の付け根に、鍼がゆっくりと差しこまれていく。 「うっ………く…あぅっ……」 「フフフッ。すぐに疼いてきますわよ」  その言葉は嘘ではなかった。  ほどなく、孫尚香の中で熱い疼きが沸き起こり、全身がまるで酔ったように痺れはじめ た。  体中の感度が何倍にもなり、服と肌がこすれただけでビリビリと快感が走る。  ──こんな…こんなのって!  生まれて初めてとも言えるほどの感覚だった。  それでも、孫尚香は唇を固く噛みしめ、額にアブラ汗を浮かべて必死に耐えようとする。 「……んっ…く………う…ううっ…!」 「我慢は体に良くないですわよ」  甄姫が胸に手を添えると、軽く揺さぶった。 「あぁうっっ!!」  孫尚香は声をあげ、頭をのけ反らせる。  服の上からでも直に触られているような感触で、体がゾクゾクとしてしまう。 「いやあっ! やめてぇっ!」 「そんなでは、これから先が保ちませんね。フフッ」  口元に笑みを浮かべ、甄姫は小刀を使って孫尚香の服を一気に引き裂いた。 「きゃああっ!」  窮屈な胸当てから解き放たれた乳房が、ぶるるんっと大きく弾んでこぼれ出る。 「あら。もう尖りはじめてますわね」  甄姫の指先が乳首に軽く触れた。 「んっ☆」 「感じますの?」 「ちっ、違うわ! 誰が感じたりなんか!」 「では確かめてみましょうか?」  そう言うと、甄姫は勃起しかけている乳首をパクリと口に含み、舌を絡めつつ軽く吸い たてた。 「ふ…ふぁぁっ…!」  孫尚香は思わず息を洩らし、身を震わせた。  ──だめぇぇっ!!  かろうじて声に出すのは抑えたものの、心の中で悲鳴をあげる。 「フフフフ…」  それを見透かしているかのように、甄姫は含み笑いをしながらさらに乳首をチュウチュ ウと強く吸い、根本に歯をたてて甘噛みをする。 「ああっ、あっ、いやあっ! あうう〜っ!」  今度はこらえきれなかった。  声をあげ、くねくねと身をよじらせる孫尚香。  甄姫の愛撫を受けて、乳首がピーンと尖ってくるのが自分でも分かるほどだった。 「あっ、あうっ。んっ……く…ふぁあっ」 「乳首をこんなに固くして。はしたないですわね」 「そ…そんな……」 「こうされると、どうですかしら?」  甄姫の指が、左右の乳首をキュッと摘み上げた。 「うあああっ!!」  気絶しそうな痛みと同時に、快感が雷のように孫尚香の全身を貫いた。  毛穴から熱い汗がドッと噴き出してくる。 「うっ…くうっ。放してぇっ!」 「あら。そんなことを言っても、本当はとても気持ちが良いのでしょう?」  甄姫はそう言いながら、乳首を指のあいだでグリグリと乱暴に転がす。 「あああっ! ひっ、ひあっ! やめてえ〜っ!」  尖りきった乳首を弄ばれ、孫尚香は我を忘れて大声で叫び、背筋を大きくのけ反らせた。 「…ひっ…んっ………うっ…くうぅーっっ!」  孫尚香の全身がブルブルッと震えた。 「あらあら、乳首だけで達してしまいましたわね」  あざけるように甄姫が笑った。  しかし、何かを言い返すだけの気力は、今の孫尚香には残ってはいなかった。  あまりに衝撃的な屈辱に、茫然自失の状態だった。 「さて、本番はこれからですわよ」  甄姫はそう言うと、侍女に命じて孫尚香の手足の縄を解かせ、残っていた衣服もすべて 剥ぎ取らせると、今度は後ろ手に縛りはじめた。  白い腕を背中にまわして固縛し、豊かな胸の上下にもギリギリと縄をかけ、さらに両足 首にも縄をしっかりと巻きつけると、それを背中で一本にまとめて強引に海老反り姿勢に させる。  それから、縄の端を天上の滑車に繋ぐと、孫尚香の体を胸の高さほどまで一気に吊り上 げた。 「うぐっ。あ…ううっ……!」  胸に食いこむ縄の痛みに、孫尚香は呻いた。 「フフッ。大事な所も丸見えですわね」 「いやぁっ。こんなの……」  耐えがたい恥ずかしさに、涙がこぼれそうになる。  だが、本当の恥辱はこれからだった。 「体中がとろけそうなほどの快感を、じっくりと教えてさしあげましょう」  甄姫が合図をすると、控えていた侍女たちが手に手に筆を持ち、孫尚香の体に一斉に襲 いかかった。 「きゃあああーーっ!!」  孫尚香は恐怖の悲鳴をあげた。 「ひっ、ひぃぃっ! いやぁああーっっ!」  必死に身をよじって逃げようとするが、吊された状態ではそれにも限度がある。  たちまちのうちに何本もの筆が全身に群がり、急所を責めはじめた。  溜媚膏の効果で過敏に火照りきった体には、あまりに強烈すぎる刺激だった。 「ああっ! やっ…やめてぇぇーーっ!!」  敏感になっている胸を責められ、孫尚香はカン高い声で叫んだ。  だが、筆の動きが止まることはない。  縄で締め上げられた汗まみれの乳房をまさぐり、固く尖った桃色の乳首をくすぐり、乳 輪から乳頭まで何度も執拗に撫でまわす。 「あああっ……はっ…あぁうっ。そ…そんな……お願いだから…もう………ん…ふっ…い やぁっ!」  侍女たちは容赦なく孫尚香の体を責め嬲る。  首筋から耳の穴へ潜りこむ筆もあれば、背中からお尻の割れ目へと滑っていく筆もあり、 さらには、おヘソの穴までくすぐる筆もあった。 「やめてぇぇっ! ひいぃっ!! いやぁーっっ!!」  悪夢の筆責めに泣き叫ぶ孫尚香。  全身は朱色に染まり、滝のようなアブラ汗でヌメヌメと宙吊りのまま妖しく光る。  次々と襲いくる快感の嵐に、幾度となく絶頂の極みに追い込まれていくのだが、あまり に刺激が強すぎるために失神することも出来ない。  ほとんどイキっぱなしの状態だった。 「ひあっ…ひっ……ひあぁうっ! やめ……あっ…くあああっ………はっ…はっ…はひぃ いい〜っ!!」  孫尚香はあられもない声で叫び、悶えた。  ──お…おかしく…なちゃう!  このまま筆責めをつづけられたら、本当に気が狂ってしまいそうだった。  だが、孫尚香の苦悶などおかまいなしに、侍女たちの筆は全身の急所という急所をくす ぐり、感じやすい部分を休むことなく愛撫しつづける。 「……た…助け………あっ…ひっ……ああうっ!」 「そろそろ良さそうですわね」  侍女たちに筆責めをつづけさせながら、甄姫は自らも筆を手にした。 「あら。もうこんなに濡れてますわ」  甄姫は陰惨な笑いを浮かべると、汗と愛液でドロドロの太腿をゆっくりとまさぐりはじ めた。  そのまま、筆先を少しづつ奥へ奥へと移動させ、充血している淫核にたどり着く。 「いやあっ!」  孫尚香は思わず叫んだ。 「そこは………そこはだめぇっっ!!」 「あら、何がだめなんですの? フフフフフッ…」  そう言いながら、甄姫は淫核を巧みにくすぐる。 「あっ、あっ、あああーっ! 死んじゃううっっ!」  まるで、体の芯から精を搾り取られていくような猛烈な快感の嵐に、孫尚香は吊された 身をよじらせ、太腿をひくひくと痙攣させる。 「…うぁっ………あっ…あっ…あっ………!」 「フフフッ。いい感じですわね」 「も…助け……おねが……。だっ…だめぇ…っ……」  孫尚香はもはや息も絶えだった。  だが、甄姫と侍女たちの手は休むことなく、ひたすら急所を責めつづける。 「フフフ。体を芯からとろけさせてあげますわ」 「…あっ…あひっ………ひっ…ひっ…ひぃぃ〜っ!」  地下牢に響く絶望的な悲鳴は、夜明けまで止むことはなかった。                                     END