『TWINKLE☆STAR PATROL ACT7』 「…アッ…アウ…ッ………」 「気分はいかが? ほォ〜ら、こうしてあげるわ」  レディ・フォックスの白い指が、紅潮したミックの肌を撫でまわし、尖りはじめた乳首 をクリクリとまさぐる。 「やあっ……ひあァうぅ〜〜っ!」  この<ピンク・ラズベリー>の豪華なベッドルームで、ミックはもう1時間近く、ひた すら責めらつづけていた。 「クッ…ふぅっ…」  ゾクゾクゾクッと、甘い刺激がミックの全身を電気のように駆け、敏感な神経を芯から 揺さぶる。  ──や…やだ。感じ…ちゃう……。  ミックは思わずため息を洩らし、体を小刻みに震わせる。  なんとか耐えようとしても、この快感からは容易に逃れることができなかった。  思いっきり浴びてしまった弛緩・催淫ガスのせいで力が入らず、抵抗するすべがないの である。 「…う…あ………うぅっ」 「このきれいな体に、たっぷりと快感を教えこんであげるわ。シャリィ、あなたも存分に お楽しみなさい♪」 「はい…。お姉様…」 「イヤッ! あっ、あうぅっ!」  フォックスの指が生き物のように全身を這いまわり、股間にもぐり込んだシャリィの舌 はクレヴァスを大きく割って、奥の壺にまで伸びていく。 「や…やめてッ……!」  ふたりの愛撫から逃れようと、ミックは懸命に身をよじった。 「ダメよォッ。シャリィってばァ!」 「ホホホホホホッ。ムダよ、ムダ。ホ〜ッホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホ ホホホッッ!!」  悲鳴をあげてもがくミックに、フォックスはお得意の<お姉様の高笑い>を怒涛のよう にブチかます。 「思考固定リングがあるかぎり、このコは私の忠実な仔ネコちゃんよ。絶対無敵のSEX マシーンなのよ。ホホホッ」 「クッ、クッソォォ〜ッ……!」  ミックは顔を真っ赤に染め、ギリギリと歯がみをして悔しがった。  だが、そのあいだにも、シャリィの舌は執拗に柔肉をねぶり、グネグネと妖しく蠢いて 蜜をすすろうする。 「くぅぅっ☆」  ピクンッ、とミックの体が跳ねる。  シャリィの柔らかな舌は、今やミックを絶頂へと追いこみつつあった。  しかも、困ったことに元々はミックが教えた舌技なのだ。  ある意味では自業自得。  ヒマさえあれば仕事をほっぽりだして、シャリィと遊んでいたバチ、と言えなくもない だろう。(ホントか?)  だが、今はそんな場合ではない。 「い…いやっ…。アッ、アアーッ!!」  ミックの胴体が、一瞬、ビクビクッと大きくけいれんした。 「ホホホッ。どうしたの。もう、イってしまったの?」 「く…ううっ…」 「まだまだ、お楽しみはこれからよ」  そう言うとフォックスは、今度はミックの体をうつ伏せに寝かせた。 「ちょ、ちょっと。何する気よ!」 「あなたはだいぶ経験も豊富らしいけど──」  ミックの丸いお尻にツツツツ…と指先を這わせながら、フォックスは意地悪っぽい口調 で言う。 「こっちのほうはいかがかしらねえ?」 「げげーーーっ!!」  ミックは、思わず目をむいた。 「じょっ、冗談やめてよォッ!」 「おとなしくなさい。まずは指から入れてあげるわ…」  そう言うなり、フォックスはお尻の割れ目に指先を滑らせていった。 「ヒッ…」  いきなりの攻撃に、ミックはたまらず小さな悲鳴をあげた。 「…やっ…やっ………。やだァァ〜〜ッ!」 「ほォ〜らほら……」  フォックスの長い指が、ズプズプ…とミックのアナルに埋まっていく。 「あらあら。もう、第二関節まで入ってしまったわよ」  さも愉快そうに言いながら、フォックスはお尻の穴の中で、指先をクイクイと動かして 刺激をあたえようとする。 「ひっ!! やだっ! くうぅ〜っ!」 「ホホホ、ホホホホホ。根元まで呑みこんでいくわねェ♪」 「いっ……いやァーーーッッ!!」  おぞましい感覚に、ミックは我を忘れて叫んだ。  と、その瞬間、  ブチッ☆  という音とともに、突然、ミックの両手が自由になった。 「へっ?」「えっ?」  ミックとフォックスのあいだに、しばしの沈黙が流れた。  ふたりとも、点目だった。  要するに、理性ブっちぎりで力を入れた拍子に、超細胞が活性化して、薬の効果を超越 してしまったのである。 「な……なんなのっ!?」  ややあって、フォックスが叫んだ。  ミック本人ですらも、予想だにしていなかったパワーである。  まして、フォックスにとっては、青天の霹靂以外の何ものでもない。  まあ、それはともかく──。 「……ふ…ふふ……ふっふっふっふっ…………」  ミックは、ペキポキと指を鳴らす。  なんにしても、こうなれば、有利なのはミックのほうなのである。 「レディ・フォックス! 覚悟ッ!」 「キャーーーッ!!」  おおとりものっ。  かくして、稀代の宇宙海賊レディ・フォックスはミックの手によって逮捕され、宇宙に は平和な時がおとずれたのであった。  めでたしめでたし──。 「めでたしじゃなぁ〜〜いっ!!!」  ミックは、シャリィの思考固定リングをはずし、肩を激しく揺さぶった。 「シャリィ! シャリィってば!」  まだこれからシャリィを連れて、さらにアーヤも助け出して、この船から脱出しなけれ ばならないのである。  はっきり言って、大ごとだ。  が、しかし、 「……ほえ………………?」  シャリィはまだ、ぼ〜っとしたままだった。 「え〜い! しっかりしなさいッ!!」  ミックは思わず、シャリィの横っ面をブッ叩いてしまった。 「きゃああ〜〜〜〜〜〜んっっ」 「あ…」  しまった!  ミックがそう思った時には、シャリィはすでに部屋の隅までブッ飛んでいた。  例によっての馬鹿力である。 「いったぁぁ〜〜〜〜〜い」 「ご、ごめん」 「あれ? あれ? ミックぅ? なんで裸なのぉ? ここ、どこぉ?」  衝撃で(?)ようやく正気に戻ったものの、シャリィには、まだ状況が充分に理解でき ていなかった。 「くわしい話はアトよっ。とにかく行くわよっ! シャリィ!」  そう言いながらミックは、フォックスの体を、ヒョイ、とかつぎあげた。 「ちょっと、あなた! 私は米俵じゃあなくってよ!」 「えーいっ、うるさいッ!」  ポカッッ☆ 「キャッ!」  フォックスは気絶した。 「わぁ。レディ・フォックスだぁ。もしかして、ミックが捕まえたのぉ?」  のんきに手を叩いて喜ぶシャリィ。 「ま、その話はアトでネ」  ミックはため息をついた。             *           *  フォックスを肩にかつぎ、シャリィの手を引いて、ミックは、アーヤの捕らえられてい る無重力拷問室へと向かった。  アーヤは部屋の真ん中で吊されたまま、アワを噴いて失神していた。 「ちょっと…。アーヤ…!」  ミックは、ぴたぴたぴた、とアーヤの頬を軽く叩いてみた。 「…う……。もう…やめ…て………」 「あたしよ! ミックだってば!」 「……ミッ…ク…?」  アーヤは、うっすらと目を開けた。  不幸なことに、ちょうどたまたまその位置には、ミックがかついだままのフォックスの 顔があった。 「きゃああああああああーーーーーっっっ!!」  アーヤは盛大な悲鳴をあげた。  今のアーヤにとっては、フォックスはトラウマなのである。 「落ちついて、アーヤ!」  と言ったって、何しろフォックスの顔が目の前にあるのだから、アーヤとしては平静で いられるワケはない。 「キャアアァァァーーッ!!」 「だーっ! 暴れないでよォーッ!」 「キャーッキャーッキャーッ!」             *           *  そーゆーワケでどんなワケで。  なんとかかんとかアーヤを落ちつかせ、ミックたちは脱出を開始した。  もちろん、そうそう簡単にはいかない。  格納庫に入ったとたん、十数人の敵に包囲されてしまった。  だが、その窮地も、 「フォックスの頭、ブッちぎっちゃうわよォォ〜ッ!!」  とミックのひと言で、潮が引くように、サァーッと道が開いた。  何しろ、このラズベリーに乗り組んでいる全員が、フォックスの『仔ネコちゃん』なの であるから、もっとも強力な作戦と言えよう。 「アンタって、まるでモーゼね」  感心したように、アーヤが言う。 「モーゼル? あたしはライフルじゃないわよ」 「モーゼよモーゼ! 十戒の!」 「ウチのマンションの十階に、モーゼさんなんていたっけ?」 「……もういいわ…………」  それはともかく──。  ミックたちは、格納庫の一角に置かれていた<グライフ3>に乗りこんだ。  幸いにして、計器類はすべて無事。  エンジンシステムも、いちおう動くことは動く。 「さあ、出るわよっ! さっさとハッチを開けろーっ!」  マイクに向かってミックが怒鳴ると、すぐさま、艦底部の大型ハッチが開いた。 「全員、逮捕したかったわ…」  少し離れた位置にグライフ3を止めると、アーヤは窓からラズベリーを見つめ、悔しそ うに唇を噛んだ。  だが、いかに怪力無双のミックがいて、フォックスを人質にしたとは言え、あれだけの 人数を相手にするのは、さすがにちょっと無理というものだ。 「だいじょーぶよっ」  ミックは明るい声で言うと、アーヤの肩をポンポンと叩いた。 「フォックスはこっちで押さえてるし、応援も要請したんだから、すぐに、あいつら全員 を逮捕できるって」 「そう…ね」  が、その瞬間だった。  突然、ラズベリーが噴射して、動きはじめたのである。 「なっ…。ど、どうなってんのォ!?」 「私が教えておいたのよ」  うろたえるミックたちに、フォックスが薄笑いを浮かべて言う。 「万が一、私が捕まることがあっても、船は逃げるようにってね。ホホホホホッ♪」  高笑いをするフォックス。  あくまでも、態度の大きいお姉様なのである。(困ったもんだ…) 「あ〜っ! 逃げちゃうよぉ」 「いっ、急いで追いかけるのよっっ!」 「ムリ言わないでよ、アーヤ。エンジンがもう、ガッタガタなんだからァ」 「キィィーーーーッッ!!」             *           *  それから、標準時間で2ヶ月ほど──。 「ねぇねぇねぇ。ミックぅ」  お茶の時間の真っ最中、本部からの定時のニュースを受けたシャリィが、ミックに呼び かけた。 「レディ・フォックスがぁ、脱走したんだってぇ」 「ええーーっ!?」 「なっ…何よそれっっ!!」  アーヤは叫ぶなり、シャリィの手からニュースペーパーをひったくった。  そこには、囚人護送船がラズベリーの襲撃をうけて、フォックスが奪還されてしまった という記事が載っていた。  あの時、ラズベリーがフォックスを残して逃げたのは、このためだったのだ。 「また、あの人、来るのかなぁ」  ティーカップを手に、シャリィがポツリとつぶやいた。 「じょっ…じょっ…冗談じゃないわっっ!!」  アーヤの顔から、サササーッと血の気が引いていく。  未だにトラウマなのである。 「あ〜あ…」  そして、ミックはため息をついた。  また、新たなトラブルの日々がはじまろうとしていた。(困ったもんだ…)                                     END