<<渚を白いペガサスが駆けてった>>



〜〜聖子先生 in 朱雀院家プライベートビーチ〜〜




wurde von Et Cetera geschrieben,2000






 ♂ゴミひとつ落ちていない美しいプライベートビーチ。
 気分はいやが上にも解放的になろうというもの。
 真っ白な砂浜に遊ぶカトレア学園の乙女たちは可憐な水着も華やかに幸せな時間を過ごしていた。
 「ねぇねぇ、女の子しかいないんだから水着脱いで泳ぎましょ」
 突然、だれかが言い出した。
 「ちょ・・・ちょっと待て。いくら何でも素っ裸というのはまずいぞ」
 口を挟んだのは意外と常識人の浩美ちゃんだ。
 心の中では「オレたちの場合、女の子同士って言ってもなぁ……」とか思いながらチラっと横目で聖子先生の方を見る。
 しかし当の本人はなぜかいつもの保険室姿。白衣に身を包み横になってのんびりお昼寝。優雅なものだ。焼けた白砂が気持ちいいのかぐっすり眠っているらしい。
 「……ま、まぁ、いいか。よーし、脱ごうぜ。大魔神はお休み中だ!!」
 身の危険がないとわかると現金なもの。浩美ちゃんはさっさハイレグの背中に手をやった。



 一糸まとわぬ乙女たちが遊ぶプライベートビーチは古代ギリシアがエリューシオンのごとき『楽園』を思わせて夏の陽光の下でキラキラ輝いていた。
 「ふぅ……皆さんにはついていけません」
 一人、水着を着たままの香津美ちゃん。学校指定のスクール水着がよく似合っている。
 「まぁ、笙子さんまで。ああ、出海さんがもてあそばれているっ!!」
 学園一のお嬢様が水着を脱いで戯れている姿は少し刺激が強すぎた。
 「はぁぁぁぁ……もう戻ろうかしら」
 ふりかえると直ぐ後ろに美恵ちゃんが。
 両手を前で揃えて目を潤ませている。
 「お・ね・え・さ・まっ!!」
 「きゃあっ!!」
 思わず悲鳴をあげてしまった。
 「そんな、やですわ。いきなり悲鳴をあげないでください」
 「ご、ごめんなさい……でも真後ろに人がいたら誰だってびっくりす……って、なにをやってるんですか?」
 美恵ちゃんがスクール水着の肩紐に手をかけている。
 「え、だってみんな裸ですし〜〜〜」
 期待の眼差し。
 「私、夏空の下でおねえさまの肌が見たいですし〜〜〜」
 やぁらかなお胸に頬をすりすりすり。
 「きゃあ、駄目駄目駄目〜〜〜〜!」
 香津美ちゃんは何とか逃げ出そうとするが恋する乙女のいじらしさ。どうにも離れられそうにない。
 「ふふふふふ」
 その時、艶のある笑い声が聞こえた。
 「あれは……」
 視界の端で何かが動く。
 白衣に包まれた妖艶な肢体。
 さっきまでぐっすり眠っていたはずの聖子先生が起き上がろうとしていた。
 輝く陽光に映える白衣。ゆったりとして、その下の妖艶な肉体を隠している。
 「フフフフフフフ………みんな開放的ね。それじゃ、私も…………」
 笑いさんざめく乙女達を眺めて嬉しそう。
 ぱらり……
 ゆっくりと白衣を脱いで行く。
 黒のビキニに包まれた豊かな胸。Eカップのブラでも包みきれない乳房があふれんばかりに自己主張している。
 「ああああ…………」
 「なんて美しいのかしら」
 白砂の海岸に少女達のため息がこだまする。
 ふぁさり……
 白衣が落ちた。
 すらり長く麗わしい脚線が露わになる。
 ビキニの下が豊かな腰を申しわけていどに隠していたがそれは逆に先生の美貌を際だたせるだけだった。
 美しい。
 その姿は海に生まれし美神アフロディーテーを思わせて光り輝く。
 天の祝福を受けた最高の肉体。
 至上の美が乙女達を魅了する。
 「あああああああああ…………」
 少女達のため息はさらに深くなる。
 「これほどまでに綺麗な女性がいるなんて……」
 香津美ちゃんも目を奪われた。
 聖子先生ってどうしてあんなに美しいのかしら……
 アレで性格さえああじゃなければ、私……何もかも捧げてしまうものを。
 ………あら…………
 香津美ちゃんの眼にひとりの少女が映った。
 放心しフラフラと先生に向かって近づいてゆく。まるで吸い込まれるように。
 「倉田さん……」
 美恵ちゃんまでもが先生の美貌に捕らえられていたのだ。
 彼女ひとりではない。
 聖子先生のファンクラブはもちろん“香津美ちゃんを応援する会”の面々も魅了されている。あの浩美ちゃんでさえ完全に目を奪われ表情をとろけさせていた。
 聖子先生必殺の“砂糖菓子の微笑み”でさえ跳ね返した少女。
 その浩美ちゃんがビキニ姿の先生に魅了されている……
 あまりに美しすぎる聖子先生。香津美ちゃんは呆然となった。
 「そんな……中川さんまでが……」
 胸が痛む。
 中川さんが先生に魅了されてる。
 もし……あの麗しい肉体の虜になってしまったら……
 もう私の方へは向いてくれなくなるかもしれない。
 言いしれぬ不安がよぎった。
 浩美ちゃんが先生のモノになるのは仕方ないが、自分を見てくれなくなることにはたまらなく寂しい。
 中川さん!!
 私は……
 私は…………
 苦悶する香津美ちゃん。
 先生の美貌は輝くばかり。
 私なんかじゃ…………
 どうしたらいいの!?
 顔を伏せてしまった香津美ちゃん。
 あまりに絶望的な状況だった。
 黒ビキニをまとった聖子先生に目を奪われる少女達。
 ブラを突き破らんばかりの美乳は歩を進めるたびに大きく揺れる。。
 美麗な肢体にはひとかけらの贅肉も存在しない。
 脚は見る者に女性美のなんたるかを知らしめる大いなる啓示。
 美麗である。
 荘厳なほどに完成された美の前にうら若き乙女達の心は服従するより他に道はなかった。
 無理よ……勝てるわけがないわ。
 ……
 …………
 ああああ……どうすれば中川さんの眼をこっちに向けることができるのかしら?
 ……………………
 考えるのよ、香津美。
 『観察して思考する』
 私にはそれしかないんだから!!
 決意がうつむいていた少女の顔を上げさせた。
 眼鏡の奥が輝き、鋭い視線が海岸を走る。
 見えた!
 一糸まとわぬ乙女達の中にあって先生だけが水着を着ている。
 それなのにみんなの視線は先生に集中した。
 「今まで着ていた白衣を脱いで露出度を上げた……つまり“変化”が先生の美貌を際だたせる演出効果になっているのね。だったら…………私にも勝機はあるわ」
 危険な方法である。だがそれしかなかった。
 「……勇気よ。勇気を出すのよ、香津美」
 一大決心。
 スクール水着の肩ひもに手をかけた。
 「えい!」
 ぺろん!
 思い切ってかけ声もろとも紺地の前を開く。
 ぷるるん!
 かわいらしい胸が露わになった。
 香津美ちゃんの頬が赤い。
 これは捨て身技である。果たして効果はあるのか!?
 「わぁぁっ! 村岡まで、なにやってんだよっ!!」
 呪縛が解けたらしい。あわてた声の浩美ちゃんが駆け寄ってきた。むき出しになった胸を隠そうとするがスクール水着は以外と硬い。仕方がないので両手で乳房を包むように隠した。
 勝った……
 知恵と勇気が勝利をもたらしたのよ!
 初めて……初めて聖子先生に勝ったんだわ。
 私は中川さんを取り戻したのよ!!
 感涙にむせびながら拳を握りしめる香津美ちゃん。よっぽど嬉しかったらしい。
 「オイ、正気か? 清純で堅物なのが売りのお前だろ? こんなことをしたらどうなるかわかってんのかよ!?」
 しかし当の浩美ちゃんは蒼い顔をしている。
 「え、何を言ってるの? 私は勝ったのよ。だから……」
 貴女は私の物よという言葉が喉元まででかかった。
 しかし。
 物事はそうそううまく行く物ではない。
 「香津美ちゃん……」
 すぐそばで良く知っている声が聞こえた。
 ぎぎくぅっ!!
 目の前でブリッ娘ポーズをしながら眼をうるうるさせている。美の女神に祝福された肉体の持ち主……香津美ちゃんが勝利したはずの相手が。
 「うわぁぁぁぁ、来たっ!!」
 逃げようとする浩美ちゃん。しかし香津美ちゃんのお胸をおさえているので逃げられない。
 「堅物の香津美ちゃんがここまで大胆になってくれるなんて……先生、嬉しい!!」
 「えっ…私は……あの…その……」
 真っ赤な顔でドギマギする香津美ちゃん。こちらも浩美ちゃんにお胸をおさえてもらっているので逃げられない。
 「そして香津美ちゃんのオッパイを隠そうとする浩美ちゃん……ついについに…典雅な趣味に目覚めてくれたのね! これも私の教育の賜物たまものだわ」
 「ち、ちげ〜〜、これは香津美をセンセーの魔手から守ろうとしてだなぁ……」
 抗議するが先生は聞いてない。両の半球をおさえられた香津美ちゃんが頬を赤らめているばかり。
 「笙子ちゃ〜〜〜ん、この子達、具合が悪いみたいだからあっちで休ませてくるわね〜〜!!」
 ひょいと2人の美少女を抱き上げると両脇に抱え保健室へ向かい颯爽と歩いてゆく。
 「はぁ〜〜い、がんばってくださいね〜〜〜」
 よ〜くわかってる笙子ちゃんが手をふっている。
 「こら、何をがんばるんだ!? はなせ! はなせよ〜〜」
 「それはもう色々よ、色々☆ フフフフフフフ…………」
 「お尻はいやぁぁぁぁ〜〜〜」

 聖子先生の夏はこうして過ぎてゆくのであった。
 
 
 
 
 




Fortsetzung folgt……