| 抗アレルギー剤の月経への影響ではオキサトミド(商品名:セルテクト) がよく知られており、その作用機序の一つとして、ドパミンの抑制作用 による高プロラクチン血症がいわれています。それらは商品発売企業 が提供する患者向けの冊子の副作用の欄に「生理の遅れや生理の 症状がひどくなる、男性胸がふくらんできた(めったに起きませんが、 薬がある種のホルモンの分泌を促したことによる)」と症状を記載し、 患者への注意を促しています。 しかし、抗アレルギー剤の月経への影響は、ドパミンに関連したものだ けではなく、ヒスタミンやロイコトリエンなどのケミカルメディエーターが 関与している可能性が指摘されています。たとえばヒスタミンによる黄 体形成ホルモンの血中濃度の上昇が有名です。そしてこの作用は、視 床下部のH1受容体を介したものとされ、H1拮抗剤により阻害されるこ とか知られています。黄体形成ホルモンの低下は無月経などの月経異 常を引き起こすと考えられます。実際、抗アレルギー剤の添付文書の 副作用の欄に月経異常(エバスチン、塩酸アゼラスチン、塩酸エピナス チン、トラニラスト、フマル酸エメダスチン、フマル酸ケトチフェン、マレイ ン酸クロルフェニラミン、メタキジン)、月経障害(オキサミド)、月経不順 (塩酸セチリジン)と記載されています。また、厚生労働省の医薬品副作 用情報126の「薬剤と月経異常」では、抗アレルギー剤による月経異 常発生に関する注意が呼びかけられています。大阪府医薬品等副作用 研究会の医薬品等の副作用に関する調査研究報告書(兵制4年度版) を参考にだされたこの情報では、抗アレルギー剤による月経異常は、 月経周期が短くなるタイプがほとんどとしていますが、必ずしもそうとは いえずに、無月経、月経周期の延長、月経期間の延長など様々な訴え があったと報告されています。 以上のように、抗アレルギー剤の月経異常に関しては、その発生機序 など明らかでない部分が多く、また月経周期そのものが様々な影響を 受けることから、月経異常が必ずしも抗アレルギー剤の服用によるも のと断定はできませんが、その可能性は重視するものと考えられてい ます。 (参考:薬立つ話 37) 「抗アレルギー剤の副作用と作用機序」なども参考になさってください。 |