食物の調理(漢方的な活かし方)

@生(なま)

食べ物が持つ本来の性質と成分を変化なしに摂ることができ、
本来の特性が発揮されます。

例えば「生野菜を食べ過ぎると冷え性になる」と言われます。
葉ものの生野菜は、総じて身体を冷やす働きがあり、ちなみに
生野菜のサラダはアメリカから輸入された食べ方であり、アメ
リカ人は私たち日本人に比べて、熱量が高く、体臭がきついな
ど、熱性の傾向が強く、身体を冷やすものを大量に食べても大
丈夫なのです。

ところが、胃腸が弱い傾向がある人や冷え性の人の場合は、
(湿気の強い気候やストレスの影響もありますが)生野菜の持
つ冷やす性質をそのまま受けてしまいます。胃腸が丈夫で、暴
飲暴食をしがちな人なら、かえって生野菜をたくさん摂ることも
良いでしょうが、そうでない場合は注意が必要です。

A炒める

焼くという方法に準ずるのですが、食べ物の性質や効能を変化
させ、油など調味料の性質や効能も加味されるので、滋潤作用
が強化されます。さらに炒めることで、食材に含まれる水分が減
るので、量を多く摂ることができます。
また、加熱時間が短時間なので、煮るという方法に比べて、熱
に弱い成分を壊すことが少なくて済みます。

B焼く

食べ物のもつ性質や効能を変化させることができ、有効成分の
吸収を促す働きもします。

欧米では、打ち身や捻挫で局所に熱があり腫れた場合、生肉を
患部に貼り、炎症を鎮める方法がとられます。このように生肉
には熱を冷ます働きがあります。この生肉をステーキなど焼い
て食べると、身体は温まり元気がみなぎってきます。このように
焼くことで、食材の持つ本来の性質や効能に変化が生じます。

C煮る

煮るという方法は、他の調理法に比べて加熱時間が長く、熱に
弱い成分は壊れてしまう心配がありますが、長時間煮ることで
食材成分の持つ成分が余すことなくスープ分に移行することに
なります。また食材は柔らかくなり、胃腸にやさしく摂れるように
なります。胃腸の弱い人は、煮る方法を多用すれば胃腸が調っ
てきます。

また味付けによって濃い味は温める効果が出て、薄い味は水分
代謝を促進することができます。

以上食物の調理による活かし方を書きましたが、食治の基本は
おいしく食べることです。おいしく感じる物は、身体に有効に働く
のです。

食物の性質(1)」「食物の性質(2)」も参考になさってください。

5月の「ひとこと」

「こらむ」と「ひとこと」項目別