骨粗鬆症、ビタミンD3 服用中の注意

骨粗鬆症患者さんは、閉経後の女性と高齢者に多いのですが、
特に高齢者では、アルファカルシドールなどの活性型ビタミン
が処方されます。
紫外線照射によって皮膚で産生され、肝臓と腎臓で活性化した
ビタミンDは、腸管からカルシウムの吸収を促進したり、骨に
直接働きかけて骨形成を促進します。しかし高齢者では腎臓な
どでのビタミンDの活性化が低下したり、腸のビタミン受容体
の感受性が低下している場合が少なくありません。
そのため、薬剤投与によって活性型ビタミンDを補充し、カル
シウム吸収や骨形成を促進します。

一般にカルシウムは、食品として摂取した量の20〜30l程度
しか体内に取り込まれないのですが、活性型ビタミンD製剤を
服用することで、その吸収率が1.5〜2倍近く上昇することが
知られています。

骨粗鬆症の患者さんにビタミンDと共に処方されるビタミンK
製剤は、カルシウムの吸収促進には関与しませんが、骨自体
に作用し、その形成を促進する作用を持っています。

カルシウム摂取量が不足している骨粗鬆症患者さんには、カ
ルシウム剤の有効ではありますが、そこで注意が必要なのは、
活性型ビタミンD製剤を服用している患者さんは、カルシウム
剤を併用すると高カルシウム血症を起こす可能性があるという
ことです。

一般にカルシウムのみを大量に摂取しても、ホルモンやビタミ
ンDのバランスでカルシウムの吸収や体内動態がコントロー
ルされるため、高カルシウム血症になることはほとんどありま
せん。しかし活性型ビタミンD製剤を服用している場合には、
この制御機構が崩れ、高カルシウム血症が起きやすくなります。
高カルシウム血症になると、食欲不振、嘔吐などの消化器症
状、脱力感、精神症状などが起き、重症化すると昏睡や心停
止が起きます。また高カルシウム血症が慢性化すると、尿路
結石や間質性腎炎などが起こります。

しかし、活性型ビタミンD製剤とカルシウム剤の併用は、特に
老人性骨粗鬆症患者さんには有効であることが確認されてい
ます。中には高カルシウム血症が起きる可能性を考慮し、定期
的に血中カルシウム濃度や尿中カルシウム排泄量を測定しな
がら、この併用を行っている医療機関もあります。

以上により、ビタミンDを服用している骨粗鬆患者さんは、自己
判断でカルシウム剤を服用なさらないようにご注意なさってくだ
さい。

骨について(ビタミンD3の役割)」も参考になさってください。

10月の「ひとこと」

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