顔に白く粉をふいたような斑紋ができる「はたけ」は、医学的には顔面 単純性粃糠疹(ひこうしん)と呼ばれます。ほとんどは小児に見られ、 学童期に発症することが多いです。かつてはしらくも(頭部浅在性白癬) との合併症が多かったこともあり、顔面の白癬菌感染(顔面白癬)と考 えられていましたが、現在では白癬との関係は否定されています。 【原因】 発症原因はよくわかっていないのですが、乾燥や日光照射などによる 刺激が患部に軽い炎症を起こし、その炎症が皮膚の色素産生を低下 させ、患部の脱色を起こすと考えられています。患部表面に認められ る粉のようなものは、角化異常により剥離した角質で、鱗屑(りんせつ) と呼ばれます。 【症状】 顔面単純性粃糠疹は肌が乾燥しやすい冬季に発症・増悪します。しか し、かゆみや痛みなどの自覚症状が無いために気づかれにくく、周囲 の皮膚が日焼けし、相対的に色素の少ない患部の白さが目立つよう になる夏から秋に発見されることが多いようです。 【治療】 顔面単純性粃糠疹は思春期ごろまでには自然消滅するため、治療の 必要は無いという意見もありますが、一般には患部の保湿と炎症の抑 制を目的に、外用剤を使った治療が行われます。 保湿剤としては、ワセリン、尿素含有軟膏(商品名:ウレパール他)、ヘ パリン類似物質軟膏(商品名:ヒルロイド他)などが使用されます。角化 異常改善のために、ビタミンA軟膏(商品名:ザーネ)も使用されます。 抗炎症剤としては、主にNSAIDs(非ステロイド性消炎剤)含有軟膏が 使用されます。炎症が軽度であるため、原則としてステロイド外用剤は 使用されません。 NSAIDs 含有外用剤は、抗炎症効果が弱いため用 途は限られますが、単純性粃糠疹のようなステロイド剤を必要としな い軽度の皮膚炎、ステロイド剤が使用できない場合や使用量を減らし たい場合、帯状疱疹の疼痛緩和などに使用されます。 ただ、外用剤には即効性は無いので、脱色斑が消えるまでには少なく とも2〜3ヶ月が必要となります。 (参考:NIKKEI Drug Information) |