| 疲労感が半年以上続く場合、激しい疲労のために1ヶ月に数日間、 会社や学校を休む、家事ができない、そのような状態が続くか、繰 り返す、加えて、微熱や頭痛、脱力感、関節痛、筋肉痛があり、何 かをやろうとしても思考力・集中力が出ない、抑うつなどの精神症 状も出てくる、それでも一般的な検査では病気が見つからない、な どに当てはまるときには、慢性疲労症候群と診断されるこりがあり ます。 これまで健康だったのに、突然、全身の疲労感に襲われ、それが 長期に続き、微熱などの多彩な症状を伴って、健全な社会生活が 困難になるという症状です。 この診断で注意が必要なのは、疲労感はさまざまな病気の最初に 現われる症状なので、感染症、ガン、肝臓疾患、心臓病などとの 鑑別がまず重要です。 【ウィルス説】 ひどい症状があるのに、一般的な検査では異常がないといわれる 慢性疲労症候群には多くの謎があります。 ときに集団発生することもそうです。風邪などの感染症がきっかけ になることが多いので、原因はウィルスかとも言われますが、その ウィルスも見つかりません。 そして近年では、インフルエンザウィルス、ヘルペスウィルスの関 連が有力として追求されています。最近では、患者の一部から馬 の脳炎の病因ウィルス(ボルナウィルス)の感染が明らかになりま した。 ウィルス以外では、欧米でマイコプラズマや肺炎クラミジアなどの 微生物の感染が関連し、集団発生もしていたと報告されています。 また、アレルギーを持つ患者も多く、何らかの免疫異常が検討さ れ、さらにストレスホルモンや神経ホルモンなどの内分泌異常も 見つかっています。 興味深いのは、なぜ患者が疲労を感じるかというエネルギー代謝 から追及した研究結果ですが、患者の脳内では、情報を伝達する 神経伝達物質、それも興奮性の神経伝達物質の合成が減少して いること、その物質が疲労感に大きく関連していたのでした。 これらから、原因の一つはウィルスなどの慢性感染症、もう一つ は仕事や家庭内での慢性ストレス、この2つが複合的に絡み合い、 神経系、免疫系、内分泌系の機能を狂わせ、その結果、脳内の 神経伝達物質に異常が現われて、激しい疲労を感じるようになる という説が有力視されています。 【治療】 今のところ、治療法が確立しいていないのですが、その中で基本 となっている薬が漢方とビタミンです。 漢方薬は補中益気湯(ホチュウエッキトウ)と十全大補湯(ジュウ ゼンタイホトウ)が主に使われていますが、8〜12週間の投与で 約4割の患者さんの疲労が軽くなっていると報告されています。 ビタミンはCとB12 で、Cは大量に用い組織の障害を減らす役目 をし、B12は睡眠障害、脱力感、疲労感を取り、低下した思考力 を回復させるといわれています。 このほか、筋肉の痛みが強いときには消炎・鎮痛剤を、抑うつや 不安感の強いときには抗不安薬、抗うつ剤が使われます。 完全に治る率は、2年で10〜15%、4年で約40%と報告されて います。 【予防】 日ごろから、何事も前向きに考えること、1日30分でも、笑いを生 活の中に上手に取り入れることなどが勧められています。 長期のストレスは神経系、内分泌系、免疫系のバランスの崩れを 引き起こし、慢性疲労症候群の発症の原因となります。 (参考:くらしの百科 No.1513) 「疲労の現われ方」「疲労のメカニズム」なども参考になさってくだ さい。 |