2000,1月の『ひとこと』

1月29日(土) 「使い捨てカイロの誕生秘話

冷え性の女性やアウトドアレジャーの必需品となっている使い捨
てカイロは、作ろうとして作られた物ではないということをご存じ
でしょうか。

使い捨てカイロを一番始めに発売したのは、皆さんもご存じのお
菓子メーカーの「ロッテ」です。
「ロッテ」ではそれまで、お菓子の中に入れる脱酸素剤(包装の
中の酸素を吸着してお菓子の酸化を防ぎ、味や品質を長持ちさ
せるためのもの。“食べられません”と書かれた小さな袋)を他社
から買っていましたが、自分の子会社で作ることになり強力な脱
酸素剤を作ろうと考えました。

脱酸素剤は、小袋の中に鉄粉や活性炭を詰めて酸素を吸着す
るようになっていますが、強力な物を作ろうとして、原料の鉄粉
や活性炭の量を増やしたそうです。すると袋が熱くなっていつま
でも冷めず、熱を発生するようなものは食品やお菓子には使わ
ないということになったのです。

従来の脱酸素剤も、鉄をさびさせて酸素を奪うのだから、多少
の熱は出してはいましたが、鉄の量が少なくゆっくりさびるので、
熱が感じられなかったのです。

脱酸素剤の開発は失敗に終わりましたが、もっと鉄粉を多くし
てさらに熱くすれば、カイロに使えるのではないか、と考えた開
発スタッフがいました。そして逆転の発想にさらなる改良を進め、
手に持つと熱いほどの製品ができあがったのです。

その製品は「ホカロン」と名付けられ、1978年に販売され、発
売から大好評で、1枚100円のものが40億円売れたそうです。

物質の化学変化を利用したものには、特許が取れないというこ
とで、今では25社で製造販売され、価格も1枚40円前後で買え
るようになりました。最近では欧米はじめ、世界各地へ輸出され、
世界的な商品になっているそうです。欧米にはカイロはなかった
そうで、観光客も珍しがって買っていくとのことです。

海外旅行の際にこの使い捨てカイロをポケットに入れたり、体に
貼ったりしていると、主成分が鉄ですから、空港の金属探知器が
鳴りますのでご注意ください。

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1月22日(土) 「アタマジラミが増えています」

シラミなんて遠い昔の話のようですが、アタマジラミは十数年前
ぐらいからぼちぼち見られはじめ、今では保育園や小学校でよ
くみられる病気になってしまいました。海外旅行で持ち帰られた
とも言われています。

コロモジラミ、ケジラミと違ってアタマジラミは不潔・不衛生とは
関係なく、いったんシラミがついたら、きれいにシャンプーしても
なかなか落ちません。シラミが頭につくと頭皮に強いかゆみを
感じ、湿疹、リンパ節の腫れなどの症状がみられ、毛のう炎な
ど細菌感染を引き起こしやすくなります。

頭をくっつけあって遊んだり、枕やタオル、帽子などを介して間
接的にうつるので、特に幼稚園児や保育園児に多いようです。
放っておくと家族内、友達同士と静かに広がり、別々になおして
もピンポンのようにうつし合い、なかなか退治できません。
時々はお子さんのの頭を点検して、特に耳のうしろに白いふけ
の固まりのようなものがないか確かめてください。髪の毛はでき
るだけショートヘアに。お子さんが頭を痒がっているようでしたら、
念のためにシラミ駆除用のシャンプーをお使いになって下さい。

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1月15日(土) 「鍋料理の長所

冬一番のご馳走といえば鍋料理といえるでしょう。
冬になると温かい食事を求めるのは、体の中から温めることによ
って、寒さによる悪条件を少しでも減らそうとする生命維持の本能
の現れともいえます。

温かな食事で体の中から温まると、まず血行がよくなります。
すると、白血球の働きが活発になり、老廃物はもちろん、動脈硬
化やガンの原因となる過酸化脂質や活性酸素などが処理され、
血液が浄化されてきます。また、体のすみずみにまで酸素や栄
養が行き渡ることによって、細胞そのものも活性化してきます。
これは、下着を1枚増やすより効果的な冬を乗り切る知恵です。

湯気を立てる鍋を囲んでいると、体の中からポカポカと温まり、
血行がよくなってきます。それに脳からβーエンドルフィンという
麻薬に似た物質が分泌され、気分まで高揚してきます。

鍋料理のよさは、たくさんの種類の食品を摂れるところにもあり
ます。東洋医学は「食が血となり、血が肉(細胞)となる」という
考え方が基本になっていますが、栄養バランスのとれた鍋料理
は、まさにこの考え方にぴったりの医食同源料理といえます。

鍋料理の主役ともいえる魚介類には、タウリンという含硫アミノ
酸が多く含まれています。タウリンは最近注目を集めている機
能性成分で、成人病の予防に大きな力を発揮します。
タウリンの健康増進作用には次のようなものがあります。

@血液中のコレステロールを減少させる
A血圧を正常に整える
B強心作用によって不整脈を改善する
Cインシュリンの分泌を促進して糖尿病を予防する
D肝臓の解毒作用を強化する

おなじみ鍋の栄養バランスをチェックしてみます。

『湯豆腐』
 豆腐を食べるための鍋ですから、野菜類が不足します。必ず
 副菜をつけましょう。

『カキの土手鍋』
 カルシウム、鉄分は十分ですが、ビタミンや食物繊維が不足
 です。野菜もたっぷり加えましょう。

『すき焼き』
 脂質が多く、カロリーも高めです。野菜やきのこ類をたっぷり
 加えるか、副菜を添えましょう。

『石狩鍋』
 サケと根菜類が主なので、カロリーは低めです。カルシウムと
 鉄を補うために、緑黄色野菜を使った副菜を添えましょう。

『おでん』
 練り製品が主なので塩分が多く、ビタミンも不足しがちです。
 緑黄色野菜の副菜を添えましょう。

『しゃぶしゃぶ』
 野菜が不足しがちなので、副菜で補いましょう。

皆さんも温かい鍋料理で冬の寒さを乗り切って下さい。

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1月8日(土) 「入浴中の突然死」

新聞に「入浴中の突然死、交通事故の2倍」という見出しの記事
がありました。今の時期に注意すべきことですので、書きだすこ
とにいたしました。

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入浴中の突然死は年々増え、東京23区においては、1996年は
768件、交通事故死は381件です。この中で65歳以上の高齢
者が8割を占め、その死因のほとんどは入浴中の病気発作と溺
死です。病気発作は、心筋梗塞などの循環器系疾患、脳出血、」
脳梗塞などの脳血管系疾患です。

入浴中の突然死はなぜ起こり、高齢者に集中するのでしょうか。
それは日本式の、42度前後の熱い湯で、深い浴槽にどっぷり、
長時間つかるという入浴習慣にあります。

高齢者で高血圧症の血圧の変化を見てみると、髪を洗い、体を
洗ったとき、体が冷え、血管が収縮して、上の血圧は175oHg
から一気に200oHgに急上昇します。それから湯につかると、
腹部は3〜5cmへこみ、胸は1〜3cmへこみ、血管を圧迫し、血
圧はさらに上昇します。体が温まってくると、こんどは血管が拡
張、血圧は一転急降下して155oHgに。その差は50oHgに
もなります。変動は高血圧例ほど大きいのです。

そして体が温まってくると汗をかきます。すると血液中の水分が
減少(水分が細胞内から細胞外に出る)し、血液の粘りが増した
ことを示すヘマトクリット値(血液中の赤血球の容積の割合)が
上昇します。

さらに血圧変動は、湯温が高いほど、室温と浴室との温度差が
大きいほど激しいのです。高齢者にとってはこの大きく激しい血
圧変動が負担でありあぶないのです。血圧の急上昇は脳出血の
危険があり、血圧の急低下は血液の粘りと合わさり、血管が詰ま
る脳梗塞や心筋梗塞の危険を大きくします。
………………………

「こらむ」の「24.注意お風呂で死なないために」、「ひとこと」の
入浴が与える効果と影響」も参考になさってください。

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