2004,6月の『ひとこと』

6月26日(土) 「降圧剤は、服用を始めると止められないか」

高血圧になると、脳卒中や心臓、腎臓の病気を起こしやすくなります。
高血圧治療の最終的な目標は、血圧を低下させて、これらの病気に
なるのを防ぐことです。
降圧剤は高血圧を治す薬ではなく、対症療法的に血圧を下げる薬で
す。そのため、薬を止めれば血圧はまた上がります。従って、多くの
方では、降圧剤を一生服用することになります。
中には薬によって好ましい状態が維持でき、薬の数を減らしたり完
全に止めたりしても、血圧の再上昇がわずかな方がいることも報告
されています。
高血圧といっても軽度の場合や、肥満があっても減量に成功した場
合、退職などによりストレスが減って規則正しい生活が送れる場合な
どには、血圧が良い状態に保てるようになって、薬を減らしたり、止
めることができることもあります。また夏季は冬季に比べ、一般的に
血圧は低下し、薬が不要になることもあります。

塩分やアルコールの摂りすぎに注意し、禁煙や適度な運動に努め、
規則正しい生活習慣を実行することで、薬を減らせる可能性は高ま
りますが、この場合も自己判断ではなく、医師とよく相談することが
大切です。

生活習慣病(高血圧症)」も参考になさってください。

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6月19日(土) 「飴で下痢」

糖分を気にする若い方では、ノンシュガーの飴を選ぶ場合も多いこと
と思いますが、それらに含まれてい還元パラチノースの摂取で下痢を
起こすことがあることをご存知でしょうか。
還元パラチノースは、パラチニットとも呼ばれる糖アルコールの一種
ですが、糖アルコールとは糖のアルデヒド基-CHO を還元し-CH2OH
に変化させたのです。糖アルコールは、口腔内細菌に利用されないこ
と、カロリーが低いことなどから、非う蝕性(虫歯の原因になりにくい)
や低カロリーをうたって、様々な食品に甘味として利用されています。
よく利用されている糖アルコールとしては、還元パラチノース、ソルビ
トール、マルチトール(還元麦芽糖水飴)、エリスリトール、ラクチトー
ル、キシリトールなどがあります。ただし、これらの糖アルコールは難
消化性のため、分解されない糖アルコールがそのまま大腸に多量に
達すると、大腸での水分の吸収を抑制し、下痢を起こすことがありま
す。キシリトール配合のガムを一度にかみすぎて下痢になったという
報告もありました。
また以前、エリスリトールを配合した「オー・プラス」という飲料水が下
痢を起こしたために回収されて、その後甘味料が変更になったとい
う報告もあります。
これらの事例からもおわかりのように、糖アルコールを利用した商品
の多量摂取については注意が必要です。

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6月12日(土)  「コレステロールと食物繊維」

食物繊維は腸の中でコレステロールとくっつき、吸収されるのを抑え、
便と一緒に排泄する働きがあります。海藻、こんにゃく、きのこ、緑黄
色野菜などに食物繊維は多く含まれています。

食物繊維は、コレステロールから作られる胆汁酸も、再吸収されるの
を防ぎます。胆汁酸が戻ってこない肝臓では、新たな胆汁酸を作るた
めに必要なコレステロールを、血液中から取り込むため、コレステロ
ール値が下がると考えられています。

胆汁酸は肝臓でコレステロールを材料に作られます。消化液の一つ
である胆汁の主成分で、脂肪の消化・吸収を助けたり、ビタミンAや
Eなどの脂溶性ビタミンの吸収にも必要です。小腸に分泌された胆汁
酸もまた、ほとんどが吸収され、肝臓へと戻され、再利用されます。
これを「腸肝循環」といい、体に必要なコレステロールが不足しないた
めのリサイクルの仕組みです。

食物繊維は足りていますか」「コレステロール」なども参考になさって
ください。 

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6月5日(土) 「鉄剤とタンニン」

鉄欠乏性貧血の治療では、不足している鉄分を補うために鉄剤(商品
名:フェロミアなど)が処方されますが、鉄剤を服用する際にはお茶を
一緒に飲んではいけないという指導が行われます。これはお茶に含ま
れるタンニンと鉄イオンが難溶性のキレートを形成し、消化管からの鉄
の吸収が低下するためです。鉄剤の添付文書でも「タンニン酸を含有
する食品等」が併用注意になっています。
しかし実際には、鉄の吸収効率を考えて「禁茶」の指導をするよりも、
服用を継続させることのほうが重要だという意見も多くなっています。
実際、現在使用されている鉄剤は鉄含有量が多いため、お茶の影響
で鉄剤の吸収が多少低下しても、治療効果には影響が無いと考えら
れています。
しかし一方で、鉄剤をお茶で服用すると、歯が黒褐色に着色するとい
う問題があります。ヒト抜去歯を使った実験では、2%クエン酸第一
鉄溶液だけに浸した場合は着色が見られませんでしたが、0.2%タン
ニン酸溶液、2%クエン酸第一鉄溶液の順に浸したところ、歯表面が
黒色に着色したことが報告されています。この着色は、軽度なものは
炭酸水素ナトリウムによるブラッシングで、高度なものは、歯科的な
研磨処置で除去できます。
歯牙着色の機序は不明な部分もありますが、鉄とタンニンが反応して
生成されるタンニン酸第三鉄が歯の表面に付着するものと推測され
ています。       (参考:NIKKEI Drug Information)

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