8月28日(土)「2004年
ドーピング禁止リストについて」
アテネオリンピックも、閉会式まで後1日になりました。
オリンピックなどの国際競技だけではなく、国内の競技においても使
用されるドーピングについて、薬剤師会刊行物に記載がありましたこ
とをご紹介します。
国体や高校総体に出場する選手が、市販の風邪薬や胃腸薬などを
安易に服用して、ドーピング検査で陽性になることもあり、薬局は、
選手に一般用医薬品を販売するときには注意が必要になります。
従って、買い置きの市販薬を服用する際にも注意が大切になります。
以下のOTC(市販薬)などには注意が必要です。
1.総合感冒薬、鎮咳・去痰薬
多くの総合感冒薬には、エフェドリン・メチルエフェドリン・麻黄(エフ
ェドリン類)を含みます。漢方薬(葛根湯など)には麻黄を含むもの
があります。
似たような名前で処方が異なる場合には注意が必要です。
例:○ストナアイビー ×ストナアイビー顆粒
鎮咳・去痰薬では、メトキシフェナミン・トリメトキノールなどを含むも
のに注意が必要です。
2.胃腸薬
ホミカ(ストリキニーネ)を含むものは、競技会1週間前までには服
用をやめる必要があります。
似たような名前で処方が異なる薬剤には注意が必要です。
例:○イノセア胃腸内服薬 ×イノセア消化薬(ホミカエキス含有)
3.便秘治療薬
例:×コッコアポA錠・S錠(エフェドリン含有)
4.アレルギー用薬
ステロイド剤は禁止であり、ステロイド入り軟膏・点眼・点鼻などの局
所使用は医師による略式手続きが必要になります。
5.痔治療薬
多くの坐薬・軟膏はステロイドを含みます。
6.滋養強壮剤、毛髪用薬
蛋白同化剤(テストステロン・メチルテストステロン)および関連物質を
含む生薬(海狗腎、麝香、鹿茸、松脂、鹿鞭)が含まれているものは
日常も服用しないようにします。
7.漢方薬
複雑な成分を含むので、調べることが困難です。
8.サプリメント
成分表示が信頼できるものばかりでなく、表示されていない禁止物質
が混入されている商品もあります。
なお、治療のための処方薬も禁止となる薬があります。
1.喘息の内服薬・吸入薬
2.通風治療薬
3.血圧降下薬
4.インスリン
治療のために禁止の薬剤が必要な場合には、事前に医事申請を行
います。
ドーピングの禁止物質などは競技によって異なるので、不明確なとき
には、所属する競技団体の医事委員会へ、国体選手であれば都道
府県へ問い合わせることです。 (参考:神薬薬事情報16.8)
なお、禁止リストは1年ごとに更新されますから、次のHPを参照に
なさってください。
http://www.anti-doping.or.jp/ ――――――――――――――――――――――――
8月21日(土) 「耳鳴りと腎」
漢方では高齢者の耳鳴りや難聴には腎と肝の働きが関係していると
いわれています。腎とは現代医学でいう腎臓よりも幅広い意味を持
つ言葉で、命の源である精を蔵しているところとされています。
腎は「先天の精」といわれ、極端にいえば、生まれたときに親から与
えられた腎を100%としたならば、年齢を重ねるにしたがって緩や
かに減少していき、0%まで減ったときに命が終わるちいう表現にな
ります。つまり、腎の機能が衰えていくことが老化そのものであると
漢方では考えています。
老化によって生じるさまざまな症状のことを漢方では「腎虚」といいま
す。これには腎陰虚と腎陽虚の二つがありますが、基本的には腎陰
虚が基となっていると考えられており、耳鳴りや難聴という減少も老
化に伴って起きることが多いです。
また、耳鳴りや難聴は腎だけでなく、肝とも密接な関係を持っていま
す。漢方でいう肝とは、現代医学の概念である肝臓に加え、血液を蓄
える機能や精神系のことも含まれ、腎が耳に反映するのと同様に目
が肝の状態を表します。つまり、耳鳴りや難聴のベースに腎陰虚が
あり、これに肝の状態が関係してくるというのが基本的な考えです。
「女は7で男は8」「ストレスと肝臓」なども参考になさってください。
――――――――――――――――――――――――
8月14日(土)
「高齢者とウォーキング」
年配者にはウォーキングがお勧めとよく言われます。1日に1万歩が
良いとも言われますが、国が21世紀の健康施策として掲げている
「健康日本21」では、男性9200歩、女性8300歩が目標値となってい
ます。また、運動生理学では1日1回20分説も勧められています。
特に高齢者では、週に3回か4回で十分の効果が得られたという報
告もあります。歩く時間帯では各人の生活リズムに合わせてが推奨
されます。
歩き方と速度で一般に勧められるのは、背筋を伸ばして、やや大ま
たで、かかとで着地し、1分間に100メートル程度が理想的といわれ
ます。高血圧の人はゆったり歩き、肥満気味の人にはきびきび歩き
が適しているという説もあります。
注意すべきこととして心臓に不安のある人には、歩く際にも細心の
注意が必要です。心拍数を自分で計算する方法もいろいろあります
が、次の方式を参考になさることもお勧めです。
それは「220から自分の年齢を引いたものを最高心拍数」とし、「そ
れの60%を目標心拍数」とする方法です。例えば年齢が60歳の人
は「220−60=160」が最高心拍数となり、「160×0.6=96」の
96が目標心拍数となります。つまり歩きながら脈拍を測ってみて、
1分間に96回をオーバーしていると判断された場合は速度を落とす
など、それを目安とすると良いです。
このほか高齢者では水分の補給が欠かせません。始める前と終わ
ってからは水分の補給をすることが大切です。また、ひざの悪い人
はウォーキングシューズにも注意が必要です。(参考:ほうじん235)
「寿命・生活習慣とウォーキング」「正しいウォーキングのコツと靴」
なども参考になさってください。
――――――――――――――――――――――――
8月7日(土) 「末梢性神経障害とメコバラミン」
末梢神経の疾患は、多数の神経が種々の原意で障害されるために、
さまざまな症状を呈する疾患群です。これら多くの疾患を一つにまと
めたものが「末梢性神経障害」といわれています。つまり、末梢神経
が障害されておこる疾患群が末梢神経性障害です。
この末梢神経性障害の治療剤としてはメコバラミン(ビタミンB12)製
剤が、多科にわたる医療現場で使用されています。
メコバラミンは様々な生化学・薬理作用により神経を修復します。
生化学作用の面から見ますと、メコバラミンはヒトの生体内でメチオ
ニン合成酵素の補酵素として働きます。その結果として、葉酸の働
きが促進され、DNA合成、さらには軸索骨格蛋白の合成を促します。
また、メコバラミンはS-アデノシルメチオニン(SAM)の合成を介
し、メチル基転移反応を促進します。メチル基転移反応は髄鞘の重
要な構成成分であるレシチンの合成をはじめとし、神経伝達物質ア
セチルコリンの合成など神経系のいろいろな系に関与していること
がわかっています。
メコバラミンはこうした系を促進することにより、障害された神経を
修復し、しびれ・痛みなどの自覚症状を改善します。
メコバラミンは光分解を受けやすいので、製剤化された錠剤をPTP
から出した場合には、光の照射には注意が必要です。
(参考:Pharmavision
Vol7)
|