8月28日(土) 「馬油について」
馬の油脂は他の動物油脂と異なり、油脂を構成している脂肪
酸の組成が植物油と動物性脂肪の中間にあります。
すなわち、植物油は不飽和脂肪酸が多く、動物性脂肪は飽和
脂肪酸が主体となっているのですが、馬油には不飽和脂肪酸
がかなり多く含まれています。
また、皮膚の生理に有効な働きを持つリノール酸、リノレン酸、
アラキドン酸などの必須脂肪酸も含まれており、馬油中のそれ
らの組成は、赤ちゃんの皮膚の成分に最も近い割合になって
います。
そのため親和性、浸透性に優れ、肌に付けた場合でも吸いこ
まれるように浸透します。
明の時代に書かれた「本草綱目」の中には「馬油はシミ、ソバ
カス、手足のヒビ、アカギレを治し、半身不随、顔面麻痺を治
す」とあります。
日本でも古くから「ヤケドをしたとき、馬の肉を薄く切って患部に
貼り付けると、熱を取り跡を残さない。」と利用されてきました。
以上より、馬油は皮膚の新陳代謝を正常にし、角質層の水分
量を保持し、皮膚や筋肉などの緊張を解き、血液の流れを良
くして細胞や組織に本来の自然治癒力をとり戻させる働きがあ
るということがいえるでしょう。―――――――――――――――――――――――
8月25日(水) 「薬の保管場所」
薬の保管方法について聞かれることもありますので、まとめ
てみました。
目薬やシロップ剤、坐薬などは冷蔵庫で保管なさって下さい。
くれぐれも食べ物と間違わないように注意し、誰の目にも薬
だとわかるようにしておきましょう。
また、夏場に旅行などで長時間家を閉めきる場合は、室温
が40度以上になることもありますので、救急箱ごと冷蔵庫
に入れるなどの対処をなさってください。
それ以外のものは、直射日光の当たらない、暗くて涼しい
ところに置くようにしましょう。居間のタンスの上などは、冬
になると暖房で暖かくなるため薬置き場にはむきません。
また、湿気のある洗面所や、ほこりやカビの多い押入も避
けたい場所です。お子さんがいる家庭では、手の届かない
場所を選ぶことも大切です。
車のダッシュボードに薬を入れておく方も多いようですが、
夏の車内はとても高温になるために、薬が変質してしまう
おそれがありますので注意してください。
最近は薬の使用期限に気をつけるかたが多くなりましたが
置き場所は案外考えておられない場合もあるようです。
置き場所によっては、使用期限内でも変質する可能性があ
りますので、高温多湿の場所を避けて保管なさって下さい。
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8月21日(土) 「フルコートください」
店に「フルコートください。」というお客さんが来店されました。
私は副腎皮質ホルモン剤を指名のかたには、必ず「何にお
使いですか」とお聞きすることにしていますので、この時もそ
のようにお尋ねしました。すると男性の30代のかたでしたが
「やけどとか傷に使う」とおっしゃるので、私は心で「ひぇー」
と思いましたが、普通の口調で、「やけどや傷にお使いにな
るのでしたら、もっと適切な軟膏がありますし、フルコートは
強いほうのステロイイド剤ですから、お医者さんで出される
以外はお使いにならないほうが良いですよ。」と申し上げま
した。すると、その男性はプイッと出て行ってしまわれました。
私はその後、もっと別の言い方があったかなあ、と反省しま
したが、その男性は、別の薬局かドラッグストアでフルコー
トを買ったと思います。
私の店では、薬を買いにいらしたかたに必ずご様子をお聞
きし、薬が必要ない場合は何もお売りしないこともありますし、
適切な薬をお求めいただくように心がけていますので、中に
は、(先の男性のように)「欲しい薬を売ってくれない」と思うか
たもあるかもしれません。「不親切」だと思われているのかと
思うと複雑な心境です。
やけどは、まず冷やすことが大切です。熱が皮膚の奥に達し
ないようにするために十分冷やします。
やけどがどれくらい皮膚を深く障害するかは、熱の温度と熱
が加わる時間によって決まります。湯たんぽやカイロの低温
やけどがこわいのは、皮下にまで達し、皮膚が壊死する可能
性があるためです。
冷やしたあとの手当ては感染予防です。家庭でできる軽いや
けどの手当ては、必要ならポピドンヨード(イソジン液)などで
消毒し、抗生物質入りの軟膏を塗ってそーっとしておくことで
す。必ず油性の軟膏をお使い下さい。
みずぶくれは決して破かず、自信がない場合は、冷やすだけ
にとどめて、受診なさることをお勧めします。
「こらむ」の「82.かかりつけ薬局とは」も参考になさってくださ
い。
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8月19日(木) 「アニマルセラピー」
老人ホームに犬や猫を連れて訪問する取り組みが盛んに
なってきたそうです。
欧米では数十年前から動物たちのもつ「癒し」の力に着目
し、「アニマルセラピー」として研究が進められてきました。
動物とふれあうことで、お年寄りの手足の機能が回復した
り、認知症の進行が抑えられるという報告も出ています。
お年寄りに限らず、動物とふれあうと精神がリラックスし、
血圧や脈拍が安定されることも実証され、自閉症やうつ病
の治療にも効果が出ているそうです。
一説では、動物に身を預けられることで自分は必要な存在
だと感じ、気持ちがやすらぐのだろうと言われています。
互いに必要とし、信頼しあえる関係が自分の存在に対する
自信と生きる気力を生み出すと言うことなのでしょう。
このような動物たちは、「ペット」ではなく、「コンパニオンア
ニマル」と呼ばれています。
「こらむ」の「70.長生きと犬を飼うこと」も参考になさって
ください。
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8月12日(木) 「結核が再燃」
ここ数年、結核にかかる率が減少から上昇に変わり、さらに
感染率の強い結核が増えています。
事態を重く見た厚生省は7月26日、「結核緊急事態宣言」を
出しました。
感染率の高い結核は、高齢者に多く発見され、その高齢者が
感染源となって、若者に感染しているということです。
これは、高齢化がもたらした現象で、糖尿病や胃潰瘍、腎不
全などの病気があったり、免疫を抑える副腎皮質ホルモン剤
や抗ガン剤のなどの投与を受けていたりしたら、いっそう発病
が促進されるということです。
また、医療側の診断に時間がかかり、その間に患者が重症化
し、早期治療の機会を逃したために周りへの感染の機会を増
やしていると指摘する医師も出ています。
予防策としては、発病率の高い中高年齢者の検査を積極的に
行うことが大切だとされています。
過去に結核にかかったことがある人、ツベルクリン反応の結
果、感染がわかった糖尿病や胃切除、人工透析を受けている
人などは、発病の危険が高いので注意が必要です。
そして、咳や痰をタバコや風邪と思いこまないで、長引く咳
(2〜3週間)は赤信号と考え、早めに受診することが大切
です。
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8月10日(火) 「とびひの注意」
読売新聞8/7版に「とびひ」の注意事項が掲載されていまし
た。プールに入る機会も多い時期ですし、新聞でお読みに
ならなかったかたもおありだと思い、書き出しましたので参
考になさってください。
………………
とびひは医学的には「伝染性膿痂疹」といい、虫さされや擦
り傷などで傷ついた表皮に黄色ブドウ球菌が付着、増殖し
て水膨れを作る病気。そこをひっかくことで別の場所に広が
っていく。
アトピー性皮膚炎の子供は皮膚が傷つきやすく、菌が付着
しやすいため、とびひにもかかりやすい。とびひは何回でも
かかるし、母子感染もあり得る。菌が鼻にあることも多く、
鼻をいじった手から全身に広がることも多い。
治療法としては、黄色ブドウ球菌に効く抗生物質を飲むとと
もに患部に軟膏をぬる。
最近は抗生物質が効かない「メチシリン耐性黄色ブドウ球
菌(MRSA)」による症例が見られるようになってきた。
MRSAによるとびひは困ったことに一定の効果的な治療法
はない。体力が弱っているときにかかりやすいので、患部を
清潔にしてゆっくり休養させることが大切。
さらに、生後2週間以内の新生児がいる家庭では、とびひの
幼児を新生児に近づけない配慮が必要だ。菌の種類によっ
ては赤ちゃんの全身が真っ赤になり、高熱が続き、顔の皮
がむける「ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群」を発症させる危
険性があるからだ。
「とびひの予防としては疲れを取る。こまめに手を洗って清
潔を保つ、爪を切るなど。とびひになってしまったら、入浴
は飲み薬を始めて2〜3日は控えること」と東京厚生年金
病院皮膚科部長の南光先生は説明している。
また、飲み薬を勝手にやめてしまうケースも見られるが、水
膨れが乾いた後も菌が残っていることがあるので、医師の
指示に従って、5日〜1週間位はきちんと飲んでほしいとア
ドバイスしている。
……………
ということですので、参考になさってください。
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8月8日(日) 「残暑の注意」
まだ暑い日が続きますが、8月8日は暦の上では立秋です。
この日を境に、高原などでは秋の気配が少しずつ感じられ
るようになります。空には入道雲にまじってイワシ雲やサバ
雲などが見られるようになり、赤トンボが姿を現すのもこの
頃からです。しかし、処暑(8月23日頃)までは暑さは厳しく
夏の疲れもピークにくる頃ですので、身体のほうは要注意
の時期となります。夏の前半の疲れも重なってくるので、夏
ばても最高に達します。
特に気をつけていただきたいのは心臓の弱いかたです。暑
さと心臓病との間には密接な関係があります。
急激に温度があがり、それが8日以上続く時、それから数
日後に心臓発作を起こすことが多いという報告があります。
心臓に疾患がある場合には、気温が27度を超えたら運動
量を減らし、30度になったら運動は一切止めることです。
特に高湿度を伴う時は注意が必要です。また不眠症も心臓
に悪影響を及ぼすので要注意です。
また胃腸の弱いかたにも要注意の時期です。夏場の胃腸疾
患は冷たい物の取りすぎによるものが多いので、胃腸の弱
いかたは脂っこいものと一緒に水分を取りすぎたり、冷たい
ものを取りすぎたりなさらないように注意してください。
「7/24夏ばてと漢方薬」も参考になさってください。
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8月6日(金)「アレルギー疾患治療剤の副作用情報」
今月の日本薬剤師会の会報に、「アレルギー疾患治療剤の
副作用情報」が掲載されていましたので、ご報告します。
製品名は「アイピーディカプセル(大鵬薬品)」で、肝機能
障害の発現症例が集積されたという報告がありました。
従来からGPT、GOT、γGPT等の上昇については「使用
上の注意」に掲載されていましたが、副作用が集積された
ため、「重大な副作用」の項を新設して記載されることにな
りました。
「アイピーディカプセル」はアトピー性皮膚炎、アレルギー
性鼻炎、慢性痒疹、気管支喘息などに使用されるアレル
ギー疾患治療剤で、今回の副作用の報告は比較的投与
初期に発現し、11例のうち1人のかたが劇症肝炎で亡く
なっています。
…………
医師のコメントとして次のように記されていました。
今回の肝障害発現症例では、合併症(肝障害)の悪化や
併用薬の関与が疑われる症例もある。しかし、本剤投与
後に発現し、多くの症例が本剤中止後比較的速やかに改
善しており、また本剤単独での発現症例もあることから、
本剤による可能性は否定出来ない。
比較的投与初期での発現が多いことから、特に投与初期
においては十分留意が望まれる。
…………
ということですが、薬を服用するときは、倦怠感、発熱、食
欲不振、尿や皮膚の色が黄色くなるなどが発現した場合
には、服用を中止し直ちに受診するようになさって下さい。
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8月5日(木) 「セラミド製品」
「肌のバリアを回復させる画期的製品登場」という見出し
で「セラミド製品」の広告と紹介が雑誌に載っていました。
セラミドは、皮膚の一番表面の角質層に存在する成分で、
アレルゲンや細菌などによる外からの刺激から、皮膚を守
り保湿する角質層のバリア機能を保つのに役立っています。
セラミドが不足すると角質層のバリアが弱まり、アレルゲン
や刺激に弱くなり、皮膚は乾燥し炎症を起こします。
逆に、セラミドを補えばバリア機能が正常化するということ
からセラミドを含むスキンケア製品として、昨年の秋にロゼ
ットから「薬用AK」シリーズが発売され、今年9月には花王
から「キュレル」シリーズが発売されることになりました。
「薬用AK」は動物からとった天然のセラミドを0.5%以上配
合し、花王の「キュレル」は合成セラミドを多く配合していま
す。「キュレル」には他に皮膚に働いてセラミドを増やすユ
ーカリエキスも配合され、セラミドが合成のため低価格とな
っています。(1300円〜1500円)
双方とも大学病院で効果は確認済みということですが、人
それぞれセラミド自体が違うものですし、基剤の関係もあり
ますから、宣伝で飛びつくことのないよう、まずパッチテスト
などで試してご覧になり、慎重に対処なさってください。
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8月4日(水) 「ハチに刺されたら」
ハチに刺されたときの応急処置は、まず毒針が残ってい
たら抜いて、すぐ水や氷で冷やして下さい。その後、虫刺
され用の抗ヒスタミン剤があったら塗って下さい。
(アンモニア液は、あまり効き目がありません)
刺された部分が痛くなったり赤く腫れたりしますが、数日
で痛みはなくなります。
刺された箇所が多い場合は、吐き気や動悸、痙攣などの
症状が現れますので、医師の診察を受けてください。
まれに、アレルギー反応により蕁麻疹が現れたり、意識
を失ったり、血圧が低下したり、呼吸困難が起こって数
十分で死亡したりすることがあります。以前にハチに刺
されて具合が悪くなったことのある人は、一刻も早く医師
の診察を受けてください。
(注意)アシナガバチ、スズメバチ、ミツバチ、マルハナバ
チ類などは、外敵を攻撃するために毒針を使いま
すので、巣のそばに近づくと危険ですから注意して
ください。
(神奈川県衛生薬務課クスリミニガイドより)
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8月1日(日) 「傷の手当て」
傷を作ってしまったら、まず汚れを落とすことが大切です。
その場合、こすらずに水を少しずつ流して、皮をはがさな
いようにそっと洗うことがコツです。
そして、傷口を乾かして、早くかさぶたをつくることです。
かさぶたさえできれば、その下で新しい皮膚が再生します。
かさぶたは自然の包帯ですから、自然にとれるまで大事に
してください。
むれると化膿しやすくなったり、かさぶたがはがれたりす
るので、水にぬらさないようにすることも大切です。
ただし、傷あとが心配な場所(顔など)の場合は、専門医
に相談なさってください。
市販のマキロンやキズグリーンなどは消毒薬で、止血剤や
かゆみ止めの抗ヒスタミン剤、痛みを止める局所麻酔剤も
配合されており、皮膚や衣類に色が付かないので、便利に
使えます。
とりあえず消毒して外科に行く場合は、軟膏をぬると縫合
しにくくなるので、無色透明の消毒液を使うのが無難です。
アクリノール液やオキシフル液、リバガーゼ液は消毒成分
だけのシンプルな薬です。
また、最近は傷口にMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ
球菌)の感染が多く見られるそうです。このMRSAに対
して殺菌力があるのはイソジンSなどに配合されているポ
ビドンヨードだけで、色がつきますが、傷にしみないので、
乳幼児にも使える薬です。
キズドライBはパウダータイプの消毒薬で、パウダーが傷
を覆って保護し、人工的にかさぶたを作る仕組みになって
います。
ただし、表皮がとれてしまっている場合はかさぶたができ
にくくなる可能性があるので、深い傷や大きい傷には不向
きです。点状に出血しているようなすり傷の場合に、水で
汚れを落としてからスプレーすることが大切です。
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