| 冷え性は女性に多く見られる症状で、疾患の一つと誤解され がちですが、あくまでも不定愁訴の一つです。冷える部位は、 腰、足、下肢、手、腹部が多く、全身の冷えを訴える場合もあ ります。 実際には正確に「冷え」の部位を特定できないことが多く、サ ーミスタ温度計によって「冷え」を訴える部位の皮膚温度を測 定してみたところ、低い測定値は得られなかったという報告も あります。 むしろ、末梢部位(手足)の「冷え」というよりは、中枢側の感 受性の受けとめかたの問題で、不定愁訴を起こす疾患の一 症状と考えられています。 「冷え」を訴える基礎疾患としては、自律神経失調症、心身症 更年期障害などがあります。 次に「冷え」に使われる主な漢方処方を挙げてみましょう。 @当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン) 虚証。貧血の傾向があり、体はあまり丈夫でなく、色白で 生理不順があり、腰から下が冷える場合。 A当帰四逆加呉茱萸生姜湯 (トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ) 虚証。手足が冷え、しもやけを起こしやすい人や寒冷によ って腹痛や腰痛を起こしやすい場合。 B真武湯(シンブトウ) 虚証。新陳代謝が低下して痩せて元気がなく、全身倦怠感 を訴え、手足が冷える場合。下痢、腹痛、めまいを伴うこと もある。 C八味地黄丸(ハチミジオウガン) 虚証。腰痛、下半身の冷え、多尿、頻尿などがある老人性 の冷えに良い。 D人参湯(ニンジントウ) 虚証。胃腸が弱く、体力が低下している場合。 E呉茱萸湯(ゴシュユトウ) 虚証。頭痛、肩こり、嘔吐などを伴う冷えの場合。 F桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン) 実証。生理不順があり、下半身が冷える場合。 |