| 睡眠には、1日の疲れがたまった心身を修復する役割があります。昼間に 活発に働く大脳は、眠りによって休息します。また、体内の細胞分裂が盛ん になったり、免疫細胞が体内を点検しているのも眠っている間です。このよ うなメンテナンス作業が睡眠不足によって滞ると、疲れがたまり、集中力が なくなり、病気への抵抗力が弱くなってしまうのです。 睡眠の質を計る物差しの一つに「眠りの深さ」があります。私たちの睡眠に は、浅い眠りの状態の「レム睡眠」と深い眠りの状態の「ノンレム睡眠」の二 つのパターンがあり、個人差はありますが、その周期は約1時間半とされて ています。質の良い睡眠のためには、ノンレム睡眠のときに深く眠り、脳を 十分に休息させることが大切です。 また、眠りが浅くなったレム睡眠のときに起きると、すっきりとした目覚めと なります。例えば、眠りにつくまで30分かかると仮定すると、目覚めの良い 朝を迎えるには6時間半から8時間の睡眠が最適ということになります。 朝起きてから夜眠るまでの1日の生活リズムを作っているのが、脳の視床 下部にある視交叉上核で、いわゆる「体内時計」です。体内時計の周期は 25時間ですが、朝日を浴びることなどで24時間になるといわれています。 体内時計は睡眠と目覚めをコントロールするばかりではなく、レム睡眠とノ ンレム睡眠の約1時間半周期のリズムを作ったり、1日のなかで体温を変 化させることなどで生体のリズムを調整したりしています。こうした体内時計 の働きを不規則な生活などで妨げないようにすることが、睡眠の質を高め ることになります。 次に、良い睡眠のための具体的な方法を記載します。 1.頭寒足熱:冷え性で手足が冷える人は、足元を温める工夫をしましょう。 2.枕:熟睡するには頭を涼しくしたほうが良いので、枕の素材には放熱性 や通気性に優れたソバガラやモミガラ、木のチップ、プラスチック、 ウレタンなど中から、自分に合ったものを選びましょう。また、高さは 一般的に7〜8cm程度のもので、頭が枕に2cm程度沈みこむくらい の硬さが良いといわれています。 3.敷布団:人間の背骨は緩やかなS字のカーブを描いていますが、柔らか い布団では背中とお尻が沈み込み、湾曲が大きくなります。その結 果、背中や腰が痛くなって熟睡できません。緩やかなS字カーブを保 つには、適度な硬さの布団が最適です。 4.寝室の明るさ:人が眠りに誘われる明るさは1〜30ルクス(ホテルのフ ットライトが1ルクス)といわれています。明かりをつけて寝るときは 間接照明が良いでしょう。また、東向きに窓がある場合、遮光カーテ ンなどで早朝の光がさしこまないようにするのも一案です。 5.室温と湿度:寝心地の良い室温には個人差がありますが、夏は25〜 28度くらいに、冬は18〜22度くらいにするのが良いといわれてい ます。湿度は50〜60%が適切です。 (参考:社会保険出版社 神奈川県薬剤師国民健康保険組合20231) 「睡眠障害」「睡眠時間が減っている」「睡眠障害のための12指針」 「生体リズム」 なども参考になさってください。 |