飲酒と血圧

1.飲酒はなぜ血圧を上げるか

飲酒がなぜ血圧を上げるかは興味深い問題で、飲酒量が日本酒換算
で1日あたり2合を越えると高血圧者の割合が有意に高くなることは多
くの研究者の同意するところです。一方、日本酒換算で1日あたり1合
を過ぎると血圧が上昇するとの意見もあり、安全な飲酒量としては日
本酒換算1合以内が適切と考えられています。

また、酒の種類毎に血圧への影響を検討した研究では、アルコール
量に換算すると酒の種類による差はみられないと報告されていること
から、アルコールの量そのものが血圧上昇に関連していると考えられ
ています。アルコールの代謝物で二日酔いの原因物質とされるアセト
アルデヒドを処理する酵素(アルデヒド脱水素酵素)が日本人では約
半数が欠損しており(酒の弱い人)飲酒習慣に大きな影響があります。
この酵素の欠損の有無による血圧への影響を検討したところ酵素の
欠損は直接関連はなく、飲酒量の多寡によって血圧への影響が決定
されることがわかっています。したがって現在のところ、血圧がなぜ飲
酒習慣によって上昇するかは明らかになっていません。

2.飲酒による血圧の低下

1日2合以上の飲酒習慣を持ち何らかの健康障害を持つ人には、積
極的な飲酒指導により生活習慣病の予防が可能になります。
多量飲酒者を対象として前半はA群が節酒し、後半はB群が節酒す
るという方法で飲酒習慣を変えてもらい飲酒による降圧効果を検討
した報告では、A群では飲酒すると速やかに血圧が低下し2週間で最
低下、B群も節酒期間にはいると血圧が低下し、A群は後半になると
飲酒量が増え血圧も上昇したという結果が出ています。
このことから、飲酒による血圧上昇効果は節酒によって改善する可
能性があること、節酒効果は2週間程度で血圧値に反映すること、再
び飲酒量が増えると血圧も上昇するこが明らかとなりました。この研
究では、約2合飲酒量を減らすことにより平均で最大血圧5mmHgの
低下が期待されます。

3.飲酒量を減らすアイデア

宴会では:相手につがない、アルコールなしでもりあがる、車で来たと
      いう
家では :食事の前に水分を十分補充する、その日に飲む分だけ買
      う、一人のときは飲まない
                    (参考:日本薬剤師会雑誌 No.54)

生活習慣病(高血圧)」「飲酒と寿命」「飲酒と生活習慣病」なども参
考になさってください。

6月の「ひとこと」

「こらむ」と「ひとこと」項目別