胃痛の薬

胃がキリキリ痛むときには、普通の胃腸薬では弱いし、アスピリ
ンのような解熱鎮痛剤では、かえって胃を痛めることになってし
まいます。

胃の痛み止めの「タケダ鎮痛鎮痙胃腸薬」や「リンデルカプセル」
成分は臭化メチルアトロピンや塩酸パパベリンなどで、主で、胃
を支配する自律神経に作用して胃の緊張や痙攣を抑える薬で
す。ひどい胃痛のときは胃が異常に緊張し、強く収縮しているの
で、これをリラックスさせようという薬です。また鎮痛鎮痙剤の多
くは胃酸の分泌も抑える働きがあります。

ただ、これらの薬は神経系に働きかけるので、胃液ばかりか唾
液も少なくなって口が渇いたり、胃腸の運動が鎮静化されすぎて
腸の働きがにぶり、便秘を起こすこともあります。

胃の痛み止めは、夜中の発作的な痛みなど、やむを得ない場合
に使う薬ですので、1〜2回服用しても痛みがおさまらないときは
早くに受診して下さい。

ガスター10や三共Z胃腸薬、センロックエースなどのH2ブロッカ
ーは胃痛にはたいへん良く効く薬です。H2ブロッカーとは、胃酸
の分泌を元から絶つ胃潰瘍治療薬です。胃酸を出させる物質が
やってきても、胃酸分泌細胞が反応しないようにブロックするの
です。

胃潰瘍は胃粘膜の傷なので、胃酸が出ると傷口がしみて痛みま
す。そこで胃酸が減れば痛みは消えますし、胃粘膜細胞は再生
が早いので傷口は3日ぐらいでふさがるというわけです。そのた
め、H2ブロッカーの登場によって胃潰瘍は手術しなくても治るよ
うになったのです。

これに対して、一般の胃腸薬に配合されている制酸剤は胃酸を
中和するだけの働きで、両者は明らかに違う薬なのです。
普通の胃腸薬は「数日間服用して治らなかったら医者へ行く。
治ったら医者に行くほどの症状ではなかった」という使い方がで
きます。しかし、H2ブロッカーは、本来医者にかかるべき胃潰
瘍のような症状でも、症状を消してしまいます。胃ガンなどの重
大な病気であっても見過ごしてしまう可能性もあるのです。

副作用の点でも、自己判断で長く飲み続ける薬ではありません。
緊急時に1〜2回使うのは賢い使い方ですが、H2ブロッカーで
ないと効かないほど症状が進んでいるとしたら早急の受診をな
さることです。

市販薬の注意点」病気と薬の効き方」も参考になさって下さい。

3月の「ひとこと」

「こらむ」と「ひとこと」項目別