代表的な人畜共通感染症

【日本で見られる人畜共通感染症】

@狂犬病:最も有名な人畜共通感染症です。。世界ではいまだに毎年3万
人〜5万人の死者が出ていますが、日本では予防接種を徹底したため、約
50年前に撲滅されました。しかし、世界から多くの動物が輸入されており、
イヌ、ネコ、キツネ、アライグマなどには検疫が必要とされています。

Aオウム病:ペットのトリに口移しで餌を与えたり、食事中に周りで遊ばせ
たりすると感染します。風邪に似た症状で肺炎を起こすこともあります。
2002年の「鳥と花の展示会」で従業員と観客の10名が感染発病し、施設
が一時的に閉鎖されました。病原体はクラミジアで、オウム、インコ、ハト、
ニワトリ、ブンチョウ、ジュウシマツなどが感染源となります。

Bエキノコックス症:エキノコックスという寄生虫が肝臓などに寄生して起
こる病気で、キツネやイヌの糞に混じった寄生虫の卵が口に入ることによ
り人に感染します。日本では北海道に多く、重度の肝機能障害を起こす恐
れがあります。

CQ熱:熱性呼吸器疾患で日本では発生しないと考えられていましたが、
家畜・野生動物で保有率が高いことが判明し、10年位前から患者からも
病原体(リケッチアの1種)が分離されました。人が感染した場合、インフ
ルエンザのような症状を示し、抗菌薬が有効ですが慢性化すると治療が
困難となります。

Dレプトスピラ症(ワイル病):レプストピラ(スピロヘータ科)はネズミの
尿中に排泄され、これに汚染された水や土壌を介して人に感染します。
重症では髄膜炎症状〜黄疸(ワイル病)になり、抗菌薬治療を行います。

E日本脳炎:致死率が高く、治癒しても後遺症を残す疾患で、蚊によりウ
イルスが媒介されます。(蚊→ブタ→蚊→人・動物の感染サイクル)1950
年代に小児を中心に年間数千人の患者が発生していましたが、現在で
は年間数例となっています。しかし、夏にはウイルスを保有する蚊が発生
し、国内のブタの感染が多いので、流行時の「高熱、頭痛、意識障害」の
徴候に注意が必要です。ワクチンが有効です。

【海外で見られる人畜共通感染症】

@牛海綿状脳症(BSE):反芻動物(羊・牛)に由来する肉骨粉を給与
された牛がBSEを発症し、その肉や臓器を食べて(変異型)クロイツフ
ェルト・ヤコブ病(致死性認知症)を発症すると考えられています。ウィル
スよりも小さいプリオン(タンパク質の一種)によるものです。日本では
2000年12月以降ウシ由来の医薬品原料(グリセリン、トロンビン、漢方
薬等)や製剤原料(ゼラチン、乳糖等)について原産国、使用部位が規
制されています。

A西ナイル熱:アフリカ北部のナイル川流域に多発する風土病ですが、
1999年より米国で流行し、大きな社会問題になっています。日本脳炎に
似た症状で、鳥と蚊がウイルスを媒介します。

Bマラリア:蚊によって媒介される流行性熱誠疾患です。熱帯・亜熱帯
の約90カ国で流行し、年間罹患者数3〜5億人、死亡者数は150〜270
万人と推定されています。日本では海外への旅行者による輸入マラリア
の増加が危惧されています。

【予防対策】

@食べ物を口写しなどで食べさせない
A飼育環境を清潔にする
B定期的に便の検査を心がける
C野生動物をむやみにさわらない
D体調がおかしいときは動物も飼い主も医師、獣医師に相談する
                          (参考:Pharmavicion Vol7)

人畜共通感染症(動物由来感染症)」も参考になさってください。

6月の「ひとこと」

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