| 過敏性大腸症候群は、心理的なものがかなり強く影響している とみられ、代表的な心身症の一つで、近年増加傾向にあります。 症状としては、慢性の腹痛をはじめとするさまざまな腹部症状 や下痢、便秘などの便通異常を呈します。腹痛などの腹部の不 快症状は、便やガスが出るとともに軽快するのが特徴です。 また、食事をすると症状が強く表れたり、女性では月経時に増 強する傾向があります。 現代医学では、腸管の運動を抑える副交感神経遮断薬や精神安 定剤などが主に用いられますが、良くなったように思えても、再発 する場合が多いようです。 漢方薬を服用しても、根治するには時間がかかりますが、過敏 性大腸症候群はもともと器質的な病気ではなく、主に心配事や 精神的なストレスを背景として起こる機能異常なので、適度の 休養や睡眠をとり、運動、規則正しい食事、排便習慣を心がけ ることが大切です。 次に主に使われる漢方処方をあげてみます。 @桂枝加芍薬大黄湯(ケイシカシャクヤクダイオウトウ) 体力の落ちている人で、粘液を出して渋る傾向があったり、 腹痛、便秘、お腹がはるなどの症状がある場合。 A半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ) 中等度の体力で、腹鳴、下痢、吐き気などの症状がある場合。 B安中散(アンチュウサン) 中等度及び虚証で、胃がもたれて胃痛、胸やけなどの症状が ある場合。 C桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ) 虚証で、お腹がはって下痢する場合。 D真武湯(シンブトウ) 虚証で、足が冷え、疲れやすく、血色がすぐれず、下痢をし ても腹痛や渋りが少ない場合。 E人参湯(ニンジントウ) 虚証で、胃腸が弱く、食欲がない、下痢しやすいなどの場合。 F大建中湯(ダイケンチュウトウ) 虚証で、お腹が冷えて痛み、腸がムクムク動くのを自覚する というような症状がある場合。 「おなかのはなし」も参考になさってください。 |