| 西洋医学は、感染症などの原因のはっきりしている疾患には 高い効果を発揮するのですが、原因がはっきりしない疾患や、 さまざまな原因が複雑に絡み合って発症する疾患に対しては、 なかなか効果を発揮しにくいといえます。 しかし、現在では、検査をしても異常が発見されない不定愁 訴に悩む人や、さまざまな原因が複雑に関係し合って発症す る「リウマチ、アトピー性皮膚炎、多汗症、自律神経失調症、 不妊症」などの疾患にかかる人が増えています。これらの疾 患にかかる患者さんは、西洋医学による治療では効果が不十 分な場合も多いため、漢方治療を望むことが多いようです。 西洋医学は、病気の原因に直接的、局所的に作用する治療 を行いますが、漢方では、まず、患者さんの身体のバランスを 第一に考えます。全体のバランスを調整することにより、体質 を改善し、体調のゆがみを治す治療が行われます。その結果 身体が本来持っている自然治癒力や抵抗力が高められ、原 因のはっきりしない疾患に対しても、効果が得られます。 漢方では、患者さんの身体全体のバランスを「気、血、水」の 3要素でとらえます。 このことは、「気のバランス」「血のバランス」「水のバランス」 をお読みになって下さい。 健康を維持するためには「気、血、水」のバランスを保つこと が非常に重要です。 しかし、身体に何らかの負担がかかると、このバランスが崩れ 疾患にかかりやすくなります。 「気、血、水」のバランスを崩す原因には、次のようなものがあ ります。 @生活習慣(運動、休養、栄養) 健康を維持するのに、生活習慣を整えることが大切なのはい うまでもありません。 本来、人間の身体は、適度に身体を動かし、適度に休養を取 り、バランスのとれた食事をとることによって、機能が円滑に 働き、健康が保たれているのです。ですから、そうした生活の 営みに偏りが生じた場合、体内のバランスが崩れてしまいま す。 例えば、運動不足は、身体のバランスを崩す原因になります。 また、運動がよいからといって過度に運動をしすぎるのもよく ありません。休養を取らずに働き続けるといった状態も、生体 のリズムを乱します。栄養の偏りや、栄養の取りすぎも体内の バランスを乱す原因になります。 A心のもち方 漢方には「心身一如」という言葉があります。これは、身体と心 とは切り離すことのできないもので、互いに密接に関連し合っ ていることを意味する言葉です。 漢方では「気、血」のバランスは「心のもち方」にもかなり影響 され、これがバランスを崩す要因になると考えます。 例えば、「いつも物事を悲観的に考えたり、他人をねたましく思 ったり、過剰に怒ったりする」といったことは、単に感情の問題 だけでなく、身体に過度の負担をかける原因にもなるのです。 ですから、なるべく物事を前向きに考え、気持ちを明るく楽しい 方向にもっていくことが、健康を維持し、仮に病気になっても自 然治癒力を高めることにつながります。 Bウィルス、細菌 ウィルスや細菌などの病原体をはじめとする、体外からのさま ざまな刺激、つまり外因も、気、血のバランスを崩す原因にな ります。 「100.漢方の考え方」「漢方薬を服用するときには」
「意識の |