【肩こりのメカニズム】
健康な筋肉にはほどよい弾力があります。そしてこれは筋肉を形
成している細胞内に水分や血液がスムーズに循環していることが
基本となります。しかし同じ姿勢をずっと続けていたり、過労や睡
眠不足が続いたり、ストレスがたまったりすると血行がにぶくなり、
その結果、筋肉がはれ、動きが硬くなってきます。こうした筋肉の
こわばりを「こり」といい、なかでも肩の周辺の筋肉に起こるものを
「肩こり」と言います。
また、肥満も肩こりの原因の一つです。太ってくると、筋肉内に脂
肪が貯まります。そうすると筋肉を保護している筋膜の中で筋肉
自体はしめつけられたような状態になり、血行が悪くなるため、
「こり」が発生してしまうのです。
正常な状態の筋肉は、筋肉内にたまった乳酸などの疲労物質が
血液中の酸素によって分解されます。しかし、仕事などで長時間
同じ姿勢をとっていたり、緊張が続いたりすると筋肉は硬くなり、
血管が圧迫されて血液の循環が悪くなります。
なかでも肩胛骨(けんこうこつ)をつりさげ、腕や手先を支えている
肩のまわりの筋肉は非常に緊張しやすく、日常的なストレスや血
圧の変化、自律神経の影響を受けやすい場所です。
この肩の筋肉がこわばってしまい、筋肉内にたまった疲労物質の
分解が効率的に行えなくなってしまうと、それらの不要物質(疲労
物質)が周辺の神経を刺激して痛みが生じます。
これが一般的な肩こりのメカニズムです。
【肩こりの原因と対処法】
肩こりは大きく分けて急性と慢性のものがあります。
急性肩こりは
T:長時間、悪い姿勢や同じ姿勢で仕事をしたとか、コートが重
い、眼鏡が合わないことなどからくる疲労
U:極度のストレスや緊張
V:寒さ
などが原因で起こる、一時的な筋肉疲労や血行不良が原因です。
一方、慢性肩こりは急性の肩こりを起こす原因が蓄積して肩こり
が慢性化したり、生まれつきの体型や内臓疾患が原因で起こりま
す。
じっと同じ姿勢で仕事をしていたり、前かがみの姿勢を続けていた
りすると、肩の周囲の筋肉が血行不良になり、緊張してきます。
やがて、筋肉に疲労物質や痛みを起こす物質がたまり始め、その
刺激が脳に伝わってさらに筋肉を緊張させて、こりや痛みが起き
るというのが、肩こりのメカニズムです。どこかで原因を断ち切ら
ない限り、肩こりはひどくなる一方ということになります。
その対処法は、仕事中ならば、肩を回すなどの簡単な体操をする
のが一番簡単な方法です。よく、首を回す人がいますが、頸椎の
老化を促進して肩こりの原因になることもありますので、やらない
いほうが無難でしょう。
家では、お風呂にゆっくりつかったり、こりがひどい場合には、水
とお湯を交互にかけると、筋肉の緊張がほぐれ、血液循環もよく
なります。またドライヤーを当てたり、使い捨てカイロを利用したり、
蒸しタオルを使うのも効果的です。
マッサージや肩たたきも効果がありますが、あまり強くやりすぎる
とかえって悪化させることもありますので、注意してください。
次に肩こりの予防法をあげてみます。
@正しい姿勢
立つときも座るときも、姿勢を正しくしましょう。ただし、胸をそらし
すぎると背骨のカーブが崩れて負担がかかります。
Aスポーツに親しむ
肩こりも五十肩も、肩を動かす習慣をつけているとかなり予防に
なります。日頃からスポーツに親しむことをおすすめします。
B左右の肩をバランスよく使う
ショルダーバッグを同じ肩ばかりにかけたり、荷物を片方の手だ
けで持ったりしないいで、時々肩や手を替えて左右平均して使い
ましょう。
C肩を冷やさない
肩の冷えは、血行が悪くなる原因です。特に冬は寒さ対策が必
要ですが、着込み過ぎると、その重みで筋肉が緊張して肩こりに
なるので注意してください。
D目の疲れにご用心
長時間の運転やOA機器操作は、目の疲れ、肩こりの誘因にな
ります。時々休憩をはさむなどの対処が大切です。
E身体に合った寝具を選ぶ
睡眠中の不自然な姿勢は肩こりの元になります。高すぎる枕や
枕では頸椎に湾曲がなくなり、低すぎる枕や枕なしでは首が後ろ
に反ってしまいます。あおむけになったときに、頸椎が自然な湾
曲に近い形になる枕と、身体が沈んだりしない少し固めの敷き
布団やベットを選びましょう。
Fストレスや疲労をためない
ストレスは身体に様々な影響を及ぼします。睡眠を十分とり、適
度な運動と気分転換などを生活の中にうまく取り入れることが大
切です。
|