風邪と抗生物質

風邪の80〜90%を占めるとされるウィルス性の風邪に対して、抗生
物質(抗菌剤)は無効ですが、しばしば抗菌剤が処方されるのは、細
菌による二次感染を治療・予防することが主な目的です。

風邪ウィルスに感染すると、感染防御機能を果たしている上気道の粘
液線毛輸送機能が低下して、鼻・口・咽頭粘膜に細菌が付着しやすく
なり、最近感染が起きる機会が増えます。
従来は、この二次感染を防ぐために、風邪の治療を始める段階から、
予防的に抗生物質が投与されることが一般的でした。しかし最近では
その有効性が疑問視されることになり、しかもこの予防的投与が薬剤
耐性菌を生む元凶となっているという批判が高まり、控えられるように
なってきました。
そうであっても、実際に細菌二次感染が起きた場合には、抗菌剤投与
が必要です。細菌二次感染が疑われるのは、本来風邪が回復期にあ
るにもかかわらず病状が遷延している場合や、膿性(透明ではなく黄
色)の喀痰がある場合などです。また、細菌二次感染が起きやすく、
一旦、起きると病態が重篤化する恐れがある疾患の患者さんには、
予防的投与も有効とされています。具体的には、呼吸器疾患、心疾
患、糖尿病などが該当し、単なる風邪の段階から抗菌剤が使用され
ます。

抗菌剤の投与を考慮すべき疾患

1)慢性呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患、陳旧性肺結核など)
2)心疾患(弁膜症、心不全など)
3)腎疾患(慢性腎不全、血液透析患者、腎移植患者など)
4)糖尿病
5)免疫不全(好中球減少症患者など)
                 (参考:NIKKEI Drug Infomation)

抗菌薬の作用機序」「耐性菌と抗菌薬療法」なども参考になさって
ください。

12月の「ひとこと」

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