目の屈折異常

私たちの目は遠くを見ているときには毛様体がゆるんで、水晶体の厚さは
平常の状態です。このような状態のときには、遠いところから目に入ってく
る光線は網膜にははっきりピントの合った像を結んでいます。これを正視
といいます。
ところが、このとき網膜の手前でピントが合ってしまって、物がぼやけて見
えてしまうと近視、逆に網膜の後ろにピントが合うと遠視、ということになり
ます。また、どこにもピントが合わない状態は乱視となります。
これら三つの状態は、いずれも目の屈折異常によって起こります。

屈折異常の種類

屈折異常の原因には、遺伝説、体質説、眼精疲労、近業の習慣の結果、
さらには幼児期の目の病気、偏食説など、さまざまありますが、その屈折
異常は大きく分けて次の4つがあります。

1.屈折度の異常
角膜や水晶体の屈折度が大きすぎると、ピントは網膜の手前に合って近
視になり、逆に小さければピントは網膜より後ろに合うために遠視になりま
す。ピントがどこにも合わないのが乱視ですが、角膜や水晶体の屈折度が
不規則だったり、方向が違ったりして起こります。

2.屈折率の異常
屈折率は角膜と水晶体の間にある房水部分や硝子体に関係しています。
房水部分の屈折率が低すぎたり、また硝子体の屈折率が高すぎたりしま
すと近視、これが逆の場合は遠視です。この屈折率異常は老人に多く見
られます。

3.水晶体の位置の異常
眼球の前後径(眼軸)が長すぎるために網膜が水晶体より遠くなり、ピン
トが網膜の手前で合ってしまうと近視、逆に前後径が短くて網膜が水晶体
に近いためにピントが網膜の後ろに合うと遠視となります。

4.水晶体の位置のゆがみ
水晶体の後ろの部分が後ろにふくらむと、かなり強い近視、ふくらんだ部
分にゆがみがあれば乱視、水晶体が横にずれていても乱視になります。

屈折性近視と屈折性遠視

上記の屈折異常のうち、1と2によって起こる視力異常を屈折性近視、屈
折性遠視といいます。
近くのものを見るときには水晶体は厚くなり、遠くの物を見るときには薄
くなります。こうした水晶体のしくみは、毛様体とそれを操っている自律神
経の働きによるものです。
屈折性近視や屈折性遠視の人は、これらの動きが十分でないため水晶
体がスムーズに調節できないのです。そのため、屈折性近視・遠視の人
は、毛様体の働きを良くするとともに、自律神経のバランスを整えること
が大切になります。

軸性近視と軸性遠視

屈折異常の3と4によって起こるのが、軸性近視と軸性遠視です。
眼球が前後、または上下にふくらんだり、ときにはゆがんだりして起こる
もので、眼球がこのようになってしまうと、いかに毛様体筋が正常に働い
ても網膜の手前でピントが合ってしまい、像がボヤけてよく見えなくなりま
す。これが軸性近視で、逆に眼球の軸が縮んでしまうと、近くのものを見
ようとしても網膜の後ろでピントが合ってしまい、やはり像はぼやけてはっ
きり見えません。
眼軸が伸びたり縮んだりするのは、眼筋の働きによるものであり、軸性
近視と軸性遠視は眼筋が調節している眼球の調節機能がうまく働かない
ために起きる症状です。  (参考:日本文芸社 近視は必ず治る)

8月の「ひとこと」

「こらむ」と「ひとこと」項目別