| 血中の低比重リポ蛋白(LDL)の増加により、心筋梗塞などの動脈 硬化性疾患が出現しやすくなることは従来から知られていましたが、 近年、LDLの中でも特に酸化変性したLDL(酸化LDL)が動脈硬化 に強く関わっていることが明らかになってきました。 酸化LDLの増加を防ぐには、高脂血症用剤などを用いて血中LDL を低下させることが有効ですが、LDLの酸化を抑制する抗酸化物質 も有効と考えられています。実際、生体内に存在する抗酸化物質が 酸化LDLの産生を防いでおり、ビタミンE、ユビキノール、カロチノイ ド(βカロチン、リコピン)などの脂溶性抗酸化物、ビタミンC、尿酸、 アルブミンなどの水溶性酸化物がこの役割を担っています。 他には日本茶(緑茶)にもポリフェノールの1種であるカテキンが含ま れており、このカテキンが水溶性の抗酸化物として酸化LDLの生成 を抑制するため、動脈硬化の予防効果があると考えられています。 カテキンは、苦味や渋みを感じさせる成分であり、紅茶やウーロン茶 などにも含まれています。また、ポリフェノールは、色素や苦味を主 体とする植物成分で、ほぼすべての植物に含まれています。カテキ ン以外にも、赤ワインに含まれる赤色色素のアントシアニン、渋み成 分のタンニン、ブロッコリーやタマネギに含まれるケルセチン、大豆 に含まれるイソフラボンなどがあります。どのポリフェノールにも、酸 化LDL産生抑制作用が期待できます。 高脂血症の食事療法では、全体のエネルギー摂取量を減らしつつ、 動物性脂肪やコレステロールを多く含む食品の摂取を制限すること が基本となります。食事療法によって、血中総コレステロールで10 〜20%、中性脂肪で50%以上の減少が期待できます。 料理に使用する植物油に関しては、動脈硬化の予防や高脂血症の 改善を期待してα-リノレン酸(n-3系不飽和脂肪酸)を多く含む製 品を使用することが望ましいと言われています。α-リノレン酸の抗 動脈硬化を期待するには、もう一つの必須脂肪酸であるリノール酸 (n-6系不飽和脂肪酸)とのバランスが重要とされていますが、一般 にリノール酸は穀類や肉類から必要量を摂取できるため、積極的に α-リノレン酸の摂取量を増やしたほうが良いと考えられています。 一般的に販売・使用されている植物油の中では、ナタネ油や大豆油 が比較的α-リノレン酸を多く含んでいます。また、最近では、ナタネ 油以上にα-リノレン酸の含有量が多いシソ油やエゴマ油なども発 売されています。逆にサフラワー油やヒマワリ油では、リノール酸の 含有量が多くなっています。このほか、オリーブ油に多く含まれるオ レイン酸も、血清脂質代謝を改善する作用があり、高脂血症改善 に適していると考えられています。 (参考:NIKKEI Drug Infomation) 「生活習慣病(高脂血症)」「動物性脂肪と植物性脂肪」 「コレステロール」 なども参考になさってください。 |