老人性白内障の基礎知識

薬剤師会の定期刊行物に「老人性白内障」についてわかりやすく
説明されたものがありましたので、掲載いたします。

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20年前は、水晶体を全部摘出して厚い凸レンズの眼鏡をかける
のが普通で、手術後の安静や1週間程度の入院が必要でした。
最近の白内障手術の進歩は目覚しく、現在では、手術法が進歩
し3mm程度の小さい切開から手術できるようになったために短
期間の入院か入院しない手術が可能になりました。また、人工
水晶体の進歩により、術後厚い眼鏡が必要なくなりました。

Q1.老人性白内障とは

A1.水晶体という部分が白く濁ることです。水晶体は、水晶体嚢
   という袋と皮質という中身よりできています。40歳くらいから
   皮質には固い部分ができてきます。
   これを核といいます。水晶体は、ほとんど蛋白でできていて、
   その蛋白が加齢による変化で白く濁ってくるのが老人性白
   内障です。

Q2.白内障の症状は

A2.目やにが出る、涙が出る、まぶしい、疲れる、見えにくい、
   すっきりしない、新聞が見えにくい、夜運転しにくい、二重に
   みえる、視力が下がった、肩がこる、光がまぶしい、眼鏡が
   合わない、目が痛い、ごろごろする、近くが見えるようにな
   った、などさまざまな症状の訴えがあります。
   白内障が進行すると、水晶体の屈折率が変わり近視にな
   ります。

Q3.白内障は予防できるのか

A3.ブルーベリーが良いとか、ヤツメウナギが良いとか言われ  
   ますが、決定的な予防法はありません。
   紫外線がよくないという事は実験されているので、1日中、
   外で働いている人はサングラスを使ったほうが良いかもし
   れません。

Q4.個人差があるのは

A4.白内障は白髪と同じ加齢による変化ですから、80歳でなん
   ともない人がいたり、50歳で手術が必要な人もいます。
   ただ、詳しく検査すれば70歳以上の人は必ず白内障があ
   ります。

Q5.手術はいつがよいか

A5.患者さんで「見えなくなってから手術するように言われた」と
   いう人がいますが、何十年も前は、そのように説明していた
   時代もあったようです。当時は手術の成功率が低く、手術し
   たために見えなくなることもあったためにそのように説明し
   たのでしょう。
   現在では、人による必要な視力は違います。大体の基準は、
   車の免許を取りたいならば0.7 以上、新聞をすらすら読みた
   いならば0.5 以上の視力が必要です。しかし、視力は条件の
   良いところで測定していますので、白内障があると視力が
   1.0 あっても太陽光のもとではほとんど見えなくなったり、夜
   間に対向車の光がまぶしくてよく見えないなどのことが起き
   ます。そういった場合は、視力が1.0 あっても手術が必要で
   す。

Q6.点眼は効くか

A6.年齢による変化ですから、若返りの薬がないかぎり良くなる
   ことはありません。進行を遅らせるものと思っていただきた  
   いと思います。
   困るのは、見えなくなったのが白内障のためだと、一度も診
   察しないで白内障の薬を買ってつけている人です。
   いよいよ見えなくなって受診すると、緑内障だったり、眼底の
   病気であることもあります。

Q7.手遅れはあるのか


A7.白内障が進行して、水晶体が膨らんで緑内障になることが
   ありますが非常に稀です。
   それよりも、白内障がすすみすぎると手術が面倒になり、視
   力の回復にも時間がかかり、合併症も増えます。手遅れとな
   ることはないですが、あまり進行するまえに手術したほうが
   良いです。

Q8.全身的な病気があると手術できないか

A8.当然、主治医と相談のうえで決めるのですが、ほとんどの場
   合、本人が希望するならば全身的な病気があっても手術が
   きます。
   ただ、糖尿病の場合は、コントロールが悪いと術後の炎症
   が長引くことがあります。

Q9.手術の危険性は

A9.成功率はほぼ100%です。合併症は、後嚢破損(水晶体の
  後ろの袋が破れる)、硝子体脱出(後嚢破損が広がり目の中
  のどろっとした液体が出てくる)、水晶体核落下(核が眼内に
  落ちてしまう)、術後感染などがあります。
  問題なのは術後感染です。消毒法などの工夫により少なくな
  っていますが、1000から2000例に1例くらい発症します。
  早期に発見して治療する必要があります。
  術後に起きてくる異常として、後発白内障があります。残して
  おいた水晶体嚢の後ろが濁ってくる状態で、視力が下がって
  きます。レーザー光線で濁りを取り除くと視力が回復すること
  ができます。

                    (参考:日薬医薬品情報Vol3)

6月の「ひとこと」

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