| めまいの起因となる疾患には耳の疾患、脳の疾患、精神疾患・神経症の 大きく分けて3つがあります。 心因性のめまいとは、精神疾患・神経症の症状としてのめまいです。 めまいで耳鼻咽喉科を受診し心因性が疑われるのは、耳の疾患も脳疾 患も無く、精神面に強い不安があるときです。 心因性のめまいは診断名では、不安障害、身体表現性障害、うつ病で あり、めまいはその症状ということになります。 1.不安障害 最も多い心因性めまいで、2種類に分けられます。急に激しい不安の発 作に襲われるパニック障害と、不安感がいつもあり、仕事や生活に支障 をきたす全般性不安障害です。女性に多く青年期に発症しやすく、不安 障害の患者さんの約70%にめまいがあります。 2.身体表現性障害 体の疾患を思わせる症状があるのに、その体の疾患から説明できない か、疾患が無いという病気です。数年間、さまざまな体の不調を訴えて、 医師が「身体的な異常はない」と説明しても、病気への恐怖ととらわれ が続きます。身体表現性障害の患者さんの80%以上にめまいがありま す。 3.うつ病 気分がひどく落ち込み、何事もやる気がなくなります。有病率は一般人 口の約5%で20人に一人が症状を持っているといわれています。 全身に力が入らない感じでふらふらする、疲れきった感じでふらふらす る、目の焦点が合わないなどの訴えが多く、壮年期以降に増える傾向が あります。 耳鼻咽喉科で耳の病気も無く、脳の病気も無い場合に原因不明とか、気 のせいと言われる場合もありますが、心因性めまいは原因不明でもなく、 単なる気のせいでもありません。気持ちだけで心因性めまいを乗り越え ることができません。めまいのもとは、精神疾患・神経症であり、適切な 治療で回復するものなのです。 4.治療 不安障害や身体表現性障害、うつ病の発症で明らかになっていることは 脳内の化学物質(神経伝達物質)が異常に少なくなり、脳機能が十分に 働かなくなっているということです。 脳内神経伝達物質が少ないなら増やすという薬物療法の効果が確かめ られています。 不安障害には、抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)が使われ、不安を即効 的に鎮めます。抗うつ薬SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)も 使われ、長期的な効果が得られています。 一般的には、身体表現性障害を含め、抗不安薬で当面の症状を鎮めて 経過をみます。 うつ病の治療には抗うつ薬SSRI、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再 取り込み阻害薬)が第一に選ばれる薬となります、不安が合併するとき には抗不安薬を併用します。 心因性のめまいといわれたら、病気の内容について詳しく説明を受ける ことが大事です。十分な情報は不安を軽くし、薬物療法などの正しい対 処を効果的にします。 (参考:くらしの百科No.2929) 「急性のめまいと治療」「うつ病とは」なども参考になさってください。 |