| 【副作用】 漢方薬は、生薬を使うのだから副作用がないと一般に考えられ ています。事実、めったに副作用は起こらないものですが、これ は材料が天然の生薬であるからというわけではないのです。 生薬の中には毒性の強いものや副作用を起こしやすいものも少 なくありません。間違った判断で漢方薬を服用すれば、気分が 悪くなったり、吐き気がしたり、下痢をしたりという副作用が現わ れることもあります。 また、場合によってはもっと重篤な副作用を起こすこともありま す。例えば多くの処方に配合されている甘草は、いいかげんな 服用の仕方をすると、偽アルドステロン症というナトリウムや体 液の貯留、むくみ、体重増加が起きたり、低カリウム血症になっ たりという副作用が起こりやすい生薬です。 附子(ブシ)は和名をトリカブトといい、アコニチンという猛毒成 分を含みます。これは少量でも中毒症状が現れ、ときには呼吸 困難から死にいたることもあるというもので、古くは毒矢の材料 として使われていたこともありました。 ほかにも使用方法によっては重い副作用が起こり、危険である 生薬がいくつもあります。 それでは、なぜ漢方薬は副作用が少ないのでしょうか。それは、 長い経験によって副作用を軽減したり、予防する働きのある生 薬が組み合わされて一つの処方になっているからです。この組 み合わせや、比率をいいかげんにすれば、副作用を起こす可 能性は十分あるといえるわけです。 また、漢方は、その処方に適した「証」があり、あらゆる診断か ら「証」を判断し、証の適合する処方を決めるのです。これが合 っていない場合には、食欲がなくなったり、倦怠感が出たりなど の様々な副作用が出ます。 つまり、漢方薬は、副作用の予防効果まで考え尽くされた信頼 できる薬である反面、「証」という大事な判断材料が必要であり、 慎重に用いなければならないということです。そのため、医師や 薬剤師によく相談し、服用し始めて異常な反応が現われたら、 すぐに専門家に相談することが大切です。 【瞑眩(メンゲン)】 上記の副作用と似ていて、実は副作用ではないという反応があ ります。この反応を瞑眩(メンゲン)といいますが、これは、漢方 薬を飲んで多くは1〜2日のうちに起きるもので、漢方薬の効果 があがり、治癒していく前の一時的な不快症状なのです。 瞑眩(メンゲン)であれば、その漢方薬が合っているということの 現われであり、薬を飲み続けているうちに、反応が治まるばかり か、症状もどんどんよくなっていくものなのです。ただ、いったい 副作用であるか、瞑眩(メンゲン)であるかという判断は普通は かなり難しいと思います。そのため、なんらかの症状が起きた 後も、さらに2〜3日注意しながら服用し、それでも発疹、吐き 気、動悸、倦怠感などの不快な症状が依然として続くような場合 には、明らかに副作用ですので、すぐに薬をやめなければなり ません。 このようなことからも、漢方薬はできれば専門医や漢方に詳し い薬剤師の指示のもとで服用することが望ましいといえるので す。 「漢方の考え方」も参考になさってください。 |