| ヒーリング音楽とは、ゆっくりしたリズムの曲に波の音や川のせせらぎなど を合わせた音楽のことで、心身を落ち着かせる作用があると考えられてい ます。 私たちの心身の心地よさを決める要因の一つに、心拍数があります。心拍 数とは心臓が脈打つ回数ですが、不思議なことに聴覚を通して入ってくるリ ズムに合わせようとする「同調」と呼ばれる性質を持っています。このため、 気持ちがいいと感じる曲は、自分の心拍数と同調していることが多いです。 ヒーリング音楽に使われている音楽は、1分間に四分音符60〜70程度の ゆっくりした曲ですが、これはちょうど心身の緊張が取れて最もリラックスし た状態の心拍数と同じです。そのため、音楽を聴いているうちに心拍数も 同調し、リラックスできるというわけです。 逆に行進曲やポップス、ロックなどのリズミカルな曲は、1分間に四分音符 80〜120程度の速いテンポなので、聴いているうちに心拍数も上がり、 気持ちが高揚したり、興奮したりします。このように、リズムは私たちの精 神状態に大きく作用しています。 また、脳波もリラックス状態に深く関わっています。脳波とは私たちの脳に 生じている微弱な電流のことで、緊張しているときに現れるベータ波、リラ ックスしているときに現れるアルファ波、浅い睡眠状態に現れるシータ波、 深い睡眠状態で現れるデルタ波の4つがあります。アルファ波は、風の音 や波の音、小鳥の声、街の雑踏などの音を聴いているときに発生しやすい のですが、これらの自然が作り出す雑音には「f分の1ゆらぎ」と呼ばれる微 妙な揺れが繰り返されています。私たちの脳はまったくの無音の中にいる より適度な音に囲まれ刺激を受けているほうが正常に働くことがわかって おり、f分の1ゆらぎを含む自然界の音も脳にとっては適度な刺激となり、 脳の神経系統を調整するものなのです。このようにヒーリング音楽は心拍 数や脳波に働きかけ、心身をリラックスさせる効果があります。 音楽やリズムが私たちの心身に及ぼす影響を利用して病気を治療する方 法を「音楽療法」といい、最近ではうつ病や失語症、パーキンソン病などの 治療にも効果を上げていると報告されています。 (参考:元気がでるからだの本 2004年夏) 「音楽療法」「音楽と心のくつろぎ」なども参考になさってください。 |