| 【使用開始後の消毒薬の使用期限】 使用開始後の消毒薬の使用期限は、安定性や微生物汚染を受けるか否か などの因子に左右されます。 @希釈した次亜塩素酸ナトリウム(ミルトン、ピューラックスなど)は、遮光下 では比較的安定である。したがって、高濃度液(0.1% など)は、汚れの混 入が少なければ、14日間程度の連続使用が可能である。 例えば、洗浄後の尿器を0.1% 液へ浸漬するのであれば、その0.1% 液は 14日間まで使用できる。一方、低濃度液(0.01% など)では汚れの混入に よる濃度低下が大きいので、24時間までの使用が望ましい。 ただ、0.01% 液に目に見える汚れの混入があれば、直ちに廃棄とする。 A綿球に浸したポピヨンヨード(イソジン、ナオヨジン)原液は徐々に分解す るので、14日間までの使用とする。 一方、ポピヨンヨードの50〜100倍希釈液はすみやかに分解するので、 24時間までの使用とする。 B万能ビン中の綿球に浸したアルコールは、揮発による濃度低下がある 程度生じるので、容器の密封度に応じて7〜14日までの使用とする。 C塩化ベンザルコニウム(オスバン、ザルコニン)やクロルヘキシジン (ヒビテン、マスキン)などの綿球やガーゼは、微生物汚染を受ける。 特に、長期にわたる分割使用やつぎ足し使用で微生物汚染を受けやす い。これらの綿球やガーゼは24時間までの使用が望ましい。 【生体への適応の注意】 消毒薬の生体適応では、適正濃度での使用が大切です。たとえば、クロル ヘキシジン(ヒビテン、マスキンなど)の0.05% 液は創部消毒に有用ですが、 誤って1桁高い0.5% を用いるとショックを生じる可能性があります。 また、クロルヘキシジンの0.02% 液は結膜嚢の消毒に使用されますが、誤 って0.2% 液を用いると重篤な眼障害を生じます。このような濃度の誤りを 防止するため、クロルヘキシジンや塩化ベンザルコニウム(オスバン、ザル コニンなど)などを生体に適用する場合では、希釈滅菌済み製品の使用が 勧められます。 なお、消毒薬の生体適応では、過剰消毒にも注意が必要です。なぜなら消 毒薬はいずれも細胞障害性を示すためです。たとえば、微生物汚染を受け ていない創部へポピドンヨード原液を連用すると、創部治癒が遅れることが わかっています。 また、0.02% クロルヘキシジンなどの消毒薬の眼(結膜嚢)への適用では、 その後の水洗いが必要とされています。 (参考:日本薬剤師会雑誌第55巻 9号) 「消毒薬の特徴と使用上の注意」「傷の治し方」「傷治療の常識に誤り」 などのページも参考になさってください。 |