| ストレスという言葉は、1936年にカナダの生理学者ハンス・ セリエ博士が、環境因子によって身体に何らかの影響が及ぼ されることを指摘し、それをストレスと発表(ストレス学説)した のがきっかけで世界中に広がりました。実際にはストレス源 (ストレッサー=環境因子)が身体または精神に「ひずみ」を起 こす状態をストレスというのですが、ストレス源そのものをスト レスと表現するようにもなりました。一般にストレス源になるの はマイナス要因のみと誤解されがちですが、うれしくても悲しく てもストレスになります。ただ、同じ要因でも人によって感じる 度合いが違いますし、ストレスを乗り越えて成長する場合もあ りますから、セリエ博士はよい影響を与えるストレスをユースト レス、悪い影響を与えるものをディストレスと区別しました。 その後、生活上のあらゆる出来事がストレス源になることに着 目したアメリカの社会性理学者モームズとレイが、1967年に 100項目の「生活出来事一覧表」を作りました。そしてストレス 度の高い順から点数をつけ、合計点数が300点を超えると80 %の人が病気になると発表しています。 わが国では筑波大学の宗像恒次郎教授が37項目の改良版 「生活出来事尺度」を作りました。例えば、収入が大幅に減った、 家族が病気になったといった悪い出来事だけでなく、結婚した、 子供が産まれたなどのうれしい出来事もストレス要因としてあ げています。つまり変化があればそこになんらかのストレスが あるということです。 ストレスには外から来るものと、それに反応して内(感情)に起 こるものがあります。またウィルスや花粉などでアレルギーが 出たりするのもストレスですし、頭痛や胃痛などもストレス要因 であり、結果でもあるわけです。 【ストレッサーの5分類】 1)物理的ストレッサー: 温度、光、音、過労、睡眠不足など 2)化学的ストレッサー: タバコ、アルコール、食事や食品 排気ガス、ホコリ、臭気など 3)生物学的ストレッサー: 細菌、カビ、花粉、動物の毒など 4)心理的ストレッサー: 不安、不満、怒り、憎しみ、喜び、 悲しみ、優越感、嫉妬、劣等感など 5)社会的ストレッサー: 職場、家庭、ライフサイクルなど (参考:新薬と治療Vol.50) 「ストレスと七情」「ストレスと肝臓」なども参考になさって下さい。 |