豆腐の効用

豆腐は、今では欧米でも「TOFU」の名で通用するほど、世界的に人気があり
ます。漢字では「豆が腐る」と書きますが、そのルーツは中国にあると考え
られており、「腐」は柔らかいという意味を表しています。
豆腐が日本に伝わったのは、奈良時代から平安時代ごろだと言われていま
す。広く庶民に食べられるようになったのは、江戸時代の中期ごろからと言わ
れています。1782年には、豆腐料理をまとめた「豆腐百珍」が出版され、ベス
トセラーになったとされています。豆腐はその名の通り、柔らかくて喉ごしが
良く、淡白な味で消化吸収も良いことから、病人や高齢者の食事としても使
用されてきました。

イソフラボン

豆腐の原料である大豆は、タンパク質の含有量が豆類の中で最も多く、畑の
肉とも呼ばれています。必須アミノ酸のバランスも良く、他の植物性タンパク
質に不足しがちなリジンを多く含んでいます。豆腐には、これらの大豆の栄
養成分がほとんど引き継がれています。
特に注目されている成分が、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする
イソフラボンです。更年期になると卵巣の機能が低下してエストロゲンの分
泌が激減し、のぼせ、冷え、頭痛、腰痛、イライラ感など様々な症状が引き
起こされます。骨に蓄えられていたカルシウムが流出し、骨密度が低下する
のもエストロゲンの欠乏が原因です。そのため、イソフラボンの摂取が骨粗
しょう症の予防に役立つと考えられています。日本人は、欧米人などに比べ
て骨粗しょう症による骨折の頻度が少ないという疫学調査がありますが、そ
の理由の一つとして豆腐など大豆食品の摂取量が多いことがあげられます。
もっとも、イソフラボンの女性ホルモンとしての働きは、エストロゲンの約
1000分の1と弱く、効果は限定的ですが、常識的な摂取量なら、エストロゲン
製剤で問題になる副作用は考慮する必要はないと考えられます。
大豆イソフラボンの1日摂取量の目安は約50mgで、豆腐ならおよそ半丁
(150mg)で足ります。特に木綿豆腐はカルシウムも多く、含有量は100gあた
り120gあります。この含有量は意外にも牛乳(110mg/100g)を上回ります。

最近では、大豆サポニンへの関心が高まっています。苦味やえぐみのもとで
あるため、豆腐作りでは嫌がられてきた成分ですが、実はこのサポニンが老
化の原因となる脂質の酸化を抑え、活性酸素を抑制する作用を持ち、血栓
や動脈硬化の予防に効果を発揮することが明らかになってきました。
さらに、これ以外にも、豆腐には生活習慣病に有効な成分がたくさん含まれ
ています。豆腐に含まれる脂質は、リノール酸などの不飽和脂肪酸が多く、
動脈硬化の予防効果があります。また、リン脂質の一種であるレシチンには
強い乳化作用があり、血管に付着したコレステロールを溶かして血流をスム
ーズにしたり、コレステロールが固まるのを防ぐ働きがあります。さらにレシ
チンは神経伝達物質のアセチルコリンの原料となることから、多く摂ると記
憶力や集中力を高め、物忘れやボケの予防に効果があると期待されていま
す。豆腐の原料となる投入を絞った残りかすが「おから」ですが、おからは、
豆腐に不足している食物繊維やミネラルを多く含んでいます。

様々な素材との組み合わせや調理法が多彩な豆腐は、体にも優れた健康食
品ともいえるものですから、毎日でも活用したいものです。
                       (参考:NIKKEI Drug Information)

大豆の効用」も参考になさってください。

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